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Mew (Messaging in the Emacs World)

山本和彦
作成 1996/02/19
更新2001/07/26

この Info は Mew バージョン2.0 について解説します。この Info の他に、Mew に関する有益な情報は Mew の公式ホームページ (http://www.Mew.org/)から得られるかもしれません。

1. はじめに読んでね  
2. さぁ始めよう!  
3. メッセージを表示する  
4. メッセージを作成する  
5. 愉快なマークたち  
6. 楽々整理整頓  
7. メッセージの選択  
8. 一休み  
9. カスタマイズ  
10. メッセージの作法  
11. 実装について  
12. 入手方法とメーリングリスト  
13. 著作権について  
14. 変数索引  
15. キー索引  


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1. はじめに読んでね

Mew とは、

を統合し、簡単に読み書きするためのインターフェイスです。Mew を使えば、友 達の誕生日にケーキの絵と「Happy Birthday to You」の歌を添えたメッセージ を送ることができます。

Mew は 「Messaging in the Emacs World」 の略です。先頭の M は大文字で表 記し、「みゅう」と読みます。M で始まるかわいらしい単語を選んだ結果 Mew になりました。決して漫画の題名や某アイドルの歌、あるいは、関西の会社に因 んでいるわけではありません。:p

Mew バージョン 2.0 の特長を以下に示します。

Emacs 20.7 以降、または XEmacs 21.1.11 以降を使って下さい。これらより前 のバージョンはサポートしていません。

(たとえば Emacs 21 のような) beta リリースである Emacs をサポートするこ ともありますが、正式リリースになって仕様が変わったときは、正式リリースで ある Emacs の仕様に合わせます。

このマニュアルで単に Emacs といった場合には、サポートしているすべてのプ ラットフォームを意味します。国際化 Emacs といった場合は、多くの文字コー ドが利用できる Emacs 20/21、そして、--with-mule オプション付きでコンパイ ルした XEmacs を指します。これに対し、バイリンガル Emacs といった場合に は、--unibyte オプションで起動した Emacs 20/21、--with-mule オプション無 しでコンパイルした XEmacs を意味します。

また、グラフィカル Emacs といった場合には、グラフィックを楽しめる Emacs 21 と XEmacs を指します。反対に、テキストしか表示できない Emacs は、テキ スト Emacs と呼びます。


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2. さぁ始めよう!

Mew には次の 6 つのモードがあります。

`Summary モード'
メッセージの一覧を表示し選択するモード。
`Virtual モード'
複数のフォルダからある条件に合致したメッセージを取り出し、仮想的に1つの フォルダにしたモード。Summary モードに似ている。スレッドもこのモードとし て実現されている。
`Message モード'
テキストの内容を表示するモード。
`Draft モード'
メッセージの送信、返答、転送を準備するためのモード。
`Header モード'
既存のメッセージのヘッダのみを編集し送信するためのモード。
`Addrbook モード'
アドレス帳にエントリを登録するためのモード。

Mew を起動するには、以下の方法があります。

`M-x mew'
Mew を起動する。`mew-auto-get'`t' なら、到着したメッセージ を +inbox フォルダに保存しながら、+inbox のメッセージを Summary モードに 一覧表示。`mew-auto-get'`nil' なら、単に +inbox のメッセー ジを Summary モードに一覧表示。`mew-auto-get' のデフォルトは `t'
`C-uM-x mew'
`mew-auto-get' の値を逆だと思って、`M-x mew' を実行する。
`M-x mew-send'
メッセージを書くための Draft モードへ移行する。
`C-xm'
`mail-user-agent' が設定されている場合、Draft モードへ移行する。

テキスト Emacs で Mew を起動した際には、Mew を型どった「/\\ - \\/」とい う図形がくるくると回るデモが始まります。グラフィカル Emacs では、可愛い2 匹の子猫がオープニングを飾ります。

到着したメッセージを +inbox フォルダに取り込む際にはパスワードを訊かれる ことがあります。パスワードを入力する前に以下の条件のいずれかが満たされて いることを確認しましょう。

どちらの条件も満たされない場合は、パスワードを入力しないで下さい。入力す ると盗聴される恐れがあります。

もし Mew が起動されない場合は、Mew がインストールされているか、また以下 が組織の設定ファイルか自分の "~/.emacs" で設定されているか確かめて下さい。

 
(autoload 'mew "mew" nil t)
(autoload 'mew-send "mew" nil t)
;; (setq mew-name "your name") ;; (user-full-name)
;; (setq mew-user "user name of e-mail address") ;; (user-login-name)
(setq mew-mail-domain "domain of e-mail address")
;; (setq mew-pop-user "your POP account")  ;; (user-login-name)
(setq mew-pop-server "your POP server")    ;; if not localhost
(setq mew-smtp-server "your SMTP server")  ;; if not localhost
(setq mew-icon-directory "icon directory") ;; if using XEmacs/Emacs 21
;; See also mew-config-alist for advanced use

;; Optional setup (Read Mail menu for Emacs 21):
(if (boundp 'read-mail-command)
    (setq read-mail-command 'mew))

;; Optional setup (e.g. C-xm for sending a message):
(autoload 'mew-user-agent-compose "mew" nil t)
(if (boundp 'mail-user-agent)
    (setq mail-user-agent 'mew-user-agent))
(if (fboundp 'define-mail-user-agent)
    (define-mail-user-agent
      'mew-user-agent
      'mew-user-agent-compose
      'mew-draft-send-message
      'mew-draft-kill
      'mew-send-hook))

上記の例は、メッセージを取得する際に、POP を利用すると仮定しています。も し、ローカルのメールボックスを利用したい場合は、たとえば以下のような設定 が必要です。

 
(setq mew-mailbox-type 'mbox)
;; See contrib/00readme for more information.
(setq mew-mbox-command "incm")
(setq mew-mbox-command-arg "-d /path/to/mbox")

Mew は起動時に、"~/.mew.el" を読み込みます。Mew に関する設定は、このファ イルに入れるとよいでしょう。


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3. メッセージを表示する

`M-x mew' と入力すると、Mew はメールボックスのメッセージを +inbox フォルダに移して以下のように一覧表示します。

 
    1  07/17 いとぢゅん     Re: N+I 2001 Tokyo IPv6 ShowCase
    2  07/18 歌代先生       神田和泉屋
    3  07/19 のむさん       refile info.

これを Summary モードといいます。ここでは、主に Summary モードでのメッセー ジの読み方について説明します。

3.1 読み方の基礎  
3.2 MIME を表示する  
3.3 PGP/MIME を表示する  
3.4 メッセージの取得とフォルダ移動  
3.5 送信、返答、転送  
3.6 便利な機能  
3.7 スレッド  
3.8 メッセージのソート  
3.9 規格違反のメッセージ  


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3.1 読み方の基礎

メッセージを上から順に読んでいくのであれば、`SPC' を適宜押すだけで す。簡単でしょ?

しかしそれだけではあんまりなので、以下にページを操作する基本的なコマンド を示します。

`SPC'
メッセージを読み進める。つまり、メッセージを表示し、スクロールさせ、他の メッセージに移動して表示する。カーソルが移動する方向は、 See section 9.1 Summary mode を参照のこと。
`C-uSPC'
メッセージを先頭から再表示。
`DEL'
現在のメッセージを上にスクロールさせる。不必要なヘッダフィールドは、ウイ ンドウの上に隠れている。よって、`DEL' を入力すると、それらが現れる。
`RET'
現在のメッセージを1行上にスクロールする。
`M-RET'
`-'
現在のメッセージを1行下にスクロールする。

`C-n'
下の行へ移動。
`C-p'
上の行へ移動。
`n'
下方向に移動し表示。対象となるのは、パート、`*' マークの付いたメッ セージ、マークの付いていないメッセージ。
`C-un'
下方向に移動し表示。対象となるのは、`*' マークの付いたメッセージ、 マークの付いていないメッセージ。
`p'
上方向に移動し表示。対象となるのは、パート、`*' マークの付いたメッ セージ、マークの付いていないメッセージ。
`C-up'
上方向に移動し表示。対象となるのは、`*' マークの付いたメッセージ、 マークの付いていないメッセージ。
`j'
入力された番号にしたがってメッセージへ移動。


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3.2 MIME を表示する

マルチパートを読むのは別に大変なことではありません。今まで通り、 `SPC' を押していけばよいだけです。

マルチパートのメッセージは、以下のように日付の左に "M" という印が付いて います。

 
    4  07/19 しげやさん     寿司
    5 M07/20 いとぢゅん     MagicPoint
    6  07/21 もとのりさん   Re: 子供の科学

"5" のところで、`SPC' を押すと、ヘッダを Message モードに表示すると 共に、以下のように Summary モードでマルチパートの構造を簡素に表示します。

 
    4  07/19 しげやさん     寿司
    5 M07/20 いとぢゅん     MagicPoint
B    2  Image/Gif                    MagicPoint のロゴ            mgp.gif
Q    3  Application/Postscript       資料                         ohp.ps
    6  07/21 もとのりさん   Re: 子供の科学

もし、パート 1 が Text/ なら、Summary モードにはパート 1 は可視化されず、 そのかわりパート 1 がヘッダと共に Message モードに表示されます。

マルチパートの各行は

から構成されています。Content-Description: はパートに対する Subject: と 考えていいでしょう。この表示は Draft モードの添付領域とほとんど同じです。

`SPC'`n' でパート 2 へ進めば、そのパートがデータ型に応じて 表示されます。たとえば、Text/Plain なら Message モードで、PostScript な ら "ghostview" で表示されます。

`n'`p' は、パート部分まで含んだ行を移動することに注意して 下さい。パート部分を飛ばして下のメッセージを表示するには `C-un' と 入力して下さい。また、パート部分を飛ばして 1 つ上のメッセージを表示する には `C-up' と入力して下さい。

Mew は、MIME を再帰的に処理します。以下は転送されたマルチパートのメッセー ジの例です。

 
  501 M02/22 Itojun         Fw: MagicPoint
     2  Message/Rfc822               MagicPoint                          
B    2.2  Image/Gif                    MagicPoint のロゴ          mgp.gif
Q    2.3  Application/Postscript       資料                       ohp.ps

(メモ) テキスト以外のデータを、シングルパートとしてメッセージに格納する のは、書式としては間違いではありませんが、お勧めできません。マルチパート を作成し、そのパート 1 に説明のテキストを、パート 2 にテキスト以外のデー タを入れる作法をお勧めします。

テキスト以外のデータが本文に直接格納されているメッセージに対し、Mew はこ れをあたかもマルチパートのように表示します。

このように MIME の構造は複雑になりうるので、解析するのには時間がかかる場 合があります。しかし、Mew は次に読まれるメッセージを予想し、ユーザが現在 のメッセージを読んでいる間に、次のメッセージをあらかじめ解析しておくこと で高速性を実現しています。解析されたメッセージは、しばらくの間保存されま す。

メッセージの終りの部分がはっきりと分かるように、Mew はメッセージの最後に "[End of message]" という文字列を表示します。また、パートの終りでは、 "[Message is continued]" という文字列を表示します。これらの文字列はそれ ぞれ、`mew-end-of-message-string'`mew-end-of-part-string' で指定できます。

メッセージの解析を制御するために、以下の変数が用意されています。

`mew-file-max-size'
解析するメッセージの大きさの上限。メッセージの大きさがこの値以下なら、解 析し表示する。越えているなら、解析せずに生のまま表示する。デフォルトは 100000 バイト。
`mew-header-max-length'
解析するメッセージのヘッダ長の上限。ヘッダの行数がこの値以下なら、メッセー ジを解析して表示する。越えているなら、解析を途中で止めてメッセージを壊れ た形で表示する。デフォルトは 100 行。
`mew-decode-broken'
規格違反のメッセージを解析する際に、寛容になるか否か。`t' なら寛容 に、`nil' なら厳密に解析する。寛容に解析する際に規格違反があった場合 は、X-Mew: フィールドに表示する。デフォルトは `t'
`mew-use-text-body'
本文のテキストをヘッダと同時に表示するか否か。`t' なら、本文がシン グルのテキスト、および、本文がマルチパートで最初のパートがテキストの場合、 そのテキストをヘッダと同時に表示する。`nil'の場合は、マルチパート内 のパートのように表示する。デフォルトは `t'
`mew-use-alternative'
Multipart/Alternative の取り扱い。`t' なら、 `mew-mime-multipart-alternative-list'の優先順位に従って、1 つのパー トを表示する。`nil' なら、通常のマルチパートとして表示する。デフォ ルトは `t'

メッセージの解析に関し、以下のような便利なコマンドがあります。

`.'
現在のメッセージやパートのキャッシュを削除した後、メッセージを解析し、再 びメッセージやパートを表示する。`mew-file-max-size'`mew-header-max-length' の上限に引っ掛かっているメッセージに対し、 このコマンドを利用すると、その制限がなくなってメッセージが表示される。
`C-u.'
`mew-decode-broken' を逆にしてメッセージを解析し直す。 See section 3.9 規格違反のメッセージ を参照のこと。
`,'
MIME 解析をしていない生のメッセージを表示する。メッセージの内 `mew-file-max-size' で指定されたバイト数以下の部分を表示する。
`C-u,'
`mew-file-max-size' の値に関わらず。 メッセージ全体を生で表示する。
`:'
`mew-use-alternative'`mew-use-text-body' を反転させた `.'.
`C-u:'
`mew-use-alternative'`mew-use-text-body' を反転させた `C-u.'.


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3.3 PGP/MIME を表示する

今までと同様 `SPC' などを利用することで、Mew では PGP で暗号化や電 子署名を施されたメッセージを簡単に表示できます。まず、簡単な例から紹介し ましょう。

 
    8 S07/22 酒井さん       Re: home was full
    9 E07/23 ニートすみかわ Wine

8 番と 9 番のメッセージには、それぞれ "S" マークと "E" マークが付いてい ます。これはそれぞれ、本文全体が署名されている、および、暗号化されている ことを意味します。

PGP/MIME では、一部のパートに電子署名を施したり、暗号化したりできます。 この場合このようなマークは付きません。マークが付くのは、本文全体が対象に なっている場合です。

また、単に署名や暗号化といいましたが、これは最終的な処理が署名や暗号化で あったことを意味しています。やや複雑な話になりますが、もしかすると前者は 本文全体を暗号化した後、署名したのかもしれませんし、後者は一部のパートに 署名し、さらに全体を暗号化している可能性もあります。

本文全体、あるいは、一部のパートが暗号化されている場合、Mew はパスフレー ズを訊いてきます。パスフレーズを入力する際の注意事項については、 See section 2. さぁ始めよう! を参照して下さい。入力されたパスフレーズは、あなたの秘密鍵 を復号化するのに使われます。そして、復号化された秘密鍵によって、暗号化さ れているメッセージを解くわけです。

ある PGP/MIME メッセージを表示するには、暗号化された数だけパスフレーズを 入力する必要があります。これは Mew が安全を期して、通常パスフレーズを保 存しないからです。もしこれがわずらわしいなら、以下の設定で Mew にパスフ レーズをしばらくの間保存させることも可能です。パスフレーズを保存する際の 注意事項については、See section 3.4 メッセージの取得とフォルダ移動を参照して下さい。

 
(setq mew-use-cached-passwd t)

パスフレーズを保存しない通常の設定でも、一旦復号化されたメッセージはしば らく保存されるので、2回目の表示にはパスフレーズを訊かれないかもしれませ ん。

一方、通信相手の署名を検証するためには相手の公開鍵が利用できればよいので、 パスフレーズを訊かれることはありません。

Mew は自動的に電子署名を検証したり、入力されたパスフレーズを使って暗号メッ セージを復号化したりして、元のメッセージを表示します。そこで、ユーザが署 名の存在に気づかないかもしれませんし、どの部分が暗号化されていたのか分か らないかもしれません。

そこで、検証の結果やどの部分が暗号化されていかをユーザに通知するために、 Mew は以下のようにヘッダに X-Mew: フィールドを挿入します。

 
X-Mew: <body> PGP decrypted.
       Good PGP sign "kazu@mew.org" COMPLETE

"<>" 内の番号は、どのパートの結果であるかを示しています。"body" は、メッ セージの本文全体が保護されていることを意味します。この例では、メッセージ 全体が kazu によって署名され、受信者のために暗号化されています。Mew はま ずこれを復号化し、そして署名を検証しています。署名は正しいので、 kazu@mew.org という ID の付いた秘密鍵で署名されたときから、内容は変更さ れていないと分かります。この署名の検証に使われた公開鍵の「有効性」は "complete" です。よって、受信者はこの公開鍵が ID が示すユーザに属してい ると信頼していることになります。つまり、このメッセージは信頼をおいている 公開鍵によって検証され結果が正しいので、改竄されていないということになり ます。

以下の例では、まずマルチパートである本文全体の電子署名が検証され、その後 パート 2 のメッセージ全体が復号化されています。つまり、作成時には、まず パート 2 が暗号化され、そして本文全体が署名されたことが分かります。

 
X-Mew: <body multi> Good PGP sign "kazu@mew.org" COMPLETE
X-Mew: <2 message> PGP decrypted.

するどい人なら、悪い人があらかじめ X-Mew: フィールドを挿入しておき、あなた をだますかもしれないと思うかもしれません。でも大丈夫です。Mew は、ヘッダに ある X-Mew: をあらかじめ削り、本物の X-Mew: フィールドを挿入しますから。

X-Mew: フィールドは他にもさまざまな結果を伝えてくれます。たとえば、署名 を検証するための公開鍵がないとか、復号化に失敗したなどです。以下の例は、 鍵 ID が 0x1B8BF431 である公開鍵がないことを示しています。

 
X-Mew: <body multi> No his/her public key. ID = 0x1B8BF431

この場合、`C-cC-f' と入力すると、Mew は `mew-pgp-keyserver-url-template' で指定された URL を使ってこの公開 鍵の入手を試みます。もし、X-Mew: フィールドがない場合は、`C-cC-f' は From: を ID と考えます。また、`C-uC-cC-f' は、X-Mew: フィールド に加えて `mew-x-pgp-key-list' に指定されたフィールドも鍵 ID を切り 出す対象とし、公開鍵の入手を試みます。

Mew では PGPv2、PGPv5、GNUPG に対応しています。これらは Summary モードに おいて、`C-cC-v' で切替え可能です。これら複数の PGP を使いたい人は `mew-prog-pgp2'`mew-prog-pgp5'`mew-prog-gpg' に対し、 それぞれ PGPv2、PGPv5、GNUPG のコマンド名を設定して下さい。また、Mew の 起動直後に利用する PGP のコマンド名を `mew-prog-pgp' に設定して下さ い。なおパスフレーズは、それぞれの PGP に対し独立に保存されます。


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3.4 メッセージの取得とフォルダ移動

到着したメッセージを +inbox フォルダに移動し、一覧を表示するには `i' を使います。一覧は、+inbox フォルダの Summary モードの最後に挿 入されます。

このときパスワードを訊かれることがあります。パスワードを入力する際の注意 事項については、See section 2. さぁ始めよう! を参照して下さい。パスワードを何回も入力す るのが面倒な人は、パスワードを保存する機能を利用して下さい。これには以下 設定が必要です。

 
(setq mew-use-cached-passwd t)

これであらゆるパスワード(POP、PGP など)が一時的に保存されます。パスワー ドが保存されている間は、パスワードの入力を省略できます。保存されているパ スワードは一定時間(通常は 20 分)が過ぎると消去されます。ただし、保存され ているパスワードが内部的に利用されると、保存期間が延長されます(20 分に戻 ります)。

パスワードは Emacs (メモリ)の中に生のまま保存されています。そこで、パス ワードの保存機能を使う場合は、他の人に自分が起動した Emacs を触られない ように気をつけて下さい。もし席を空け、Emacs をよく知っている他の人に Emacs を操作された場合、パスワードを盗み取られる可能性があります。

サイズが大きなメッセージは、全体ではなく一部が取得されているかもしれませ ん。このようなメッセージには、`T' マークがついています。このメッセー ジの全体を取得するには、そのメッセージ上で `I' と入力します。

フォルダの一覧を再表示するには、`s' を使います。このコマンドを対話 的に使うと範囲を訊いてきます。Mew で重要な範囲の意味を以下に示します。

`update'
「Summary モードの最後のメッセージの次」から「フォルダ内の最後のメッセー ジ」まで。つまり、Summary モードと実際のフォルダ内のメッセージの差分。
`all'
フォルダ内のメッセージすべて。Summary モードの表示がおかしくなったときに、 内容を一新するために用いる。

+draft と +queue では、デフォルトの範囲は `all' となっています。そ れ以外のフォルダでは、デフォルトの範囲が `update' となっています。 ですから、+draft と +queue 以外では、`s' の後に `RET' を押すだ けで、現在のフォルダに対し最新の一覧を得られることになります。

Mew ではあまり重要ではありませんが、以下の範囲も指定できます。

`<num1>-<num2>'
<num1> から <num2> まで。
`<num1>-'
<num1> から最後まで。
`-<num2>'
最初から <num2> まで。
`last:<num>'
最後の <num> 個。

フォルダの移動には `g' を入力して下さい。フォルダ名は `TAB' で 補完できます。もし、移動した際に Summary モードの一覧が古いと判断した場 合は、自動的に差分を追加表示します。

出てきたコマンドを以下にまとめます。

`i'
到着したメッセージを +inbox フォルダに移動し一覧を表示する。
`I'
`T' マークの付いている一部だけが取得されたメッセージの全体を取得す る。
`s'
フォルダの一覧を再表示する。
`g'
フォルダを移動する。


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3.5 送信、返答、転送

メッセージの送信、返答、転送には、以下のコマンドを使います。

`w'
メッセージを書く。新しい草稿が Draft モードに用意される。 See section 4. メッセージを作成するを参照のこと。
`W'
あるメッセージのヘッダの一部だけを編集しメッセージを送信するために Header モードに入る。See section 4.10 メッセージの再送を参照のこと。
`a'
現在のメッセージに返答する。Draft モードに草稿が用意され、To: や Cc: が 自動的に決定される。See section 4.8 メッセージへの返答と宛先の決定を参照のこと。
`A'
現在のメッセージに返答する。Draft モードに草稿が用意され、To: や Cc: が 自動的に決定された後、本文が引用される。See section 4.8 メッセージへの返答と宛先の決定を参照のこと。
`f'
現在のメッセージを第3者に転送する。Draft モードに草稿が用意され、現在の メッセージが自動的に添付される。See section 4.9 メッセージの転送を参照のこと。
`F'
`@' マークの付いたメッセージを第3者に転送する。Draft モードに草稿 が用意され、`@' マークの付いたメッセージが自動的に添付される。詳し くは See section 5.3 一括 `@' を参照のこと。See section 4.9 メッセージの転送を参照のこと。

エラーメッセージが返ってきたら、以下のコマンドで修正し再挑戦しましょう。

`E'
メッセージの再編集。または、MIME 形式でカプセル化されて戻ってきたメッセー ジの再編集。

  1. +draft では、メッセージが単に編集される。
  2. +queue では、メッセージが +draft に移動されて、編集される。
  3. それ以外では、メッセージが +draft にコピーされて、編集される。

+draft と +queue では、送信ケースが復活する。

他のフォルダでは、`mew-case-guess-when-prepared'`t' なら、 ヘッダのそれぞれのフィールドが送信ケースに従って置き換えられる。詳しくは See section 9.8 送受信の動作変化 を参照のこと。

`C-uE'
`E' と同じ。ただし、+draft と +queue 以外のフォルダで利用された場合 は、`mew-case-guess-when-prepared'`t' でも、オリジナルのヘッダ が保存される。
`M-e'
"----- Original message follows -----" の後にオリジナルのメッセージが 引用されているエラーメッセージの再編集。


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3.6 便利な機能

Mew では、Summary モードに以下のような便利なコマンドが用意されています。

`v'
「Summary モードのみ」と「Summary & Message モード」の切り替え。 「Summary モードのみ」を選んでいる場合は、`d' は次のメッセージを表 示しないので、連続してすばやく `D' マークを付けられる。
`M-l'
現在の行を Summary モードの中央に移動させる。
`C-cC-s'
Message モードで順方向段階的検索。
`C-cC-r'
Message モードで逆方向段階的検索。
`y'
メッセージ、あるいは、パートを入力したファイル名で保存する。
`C-uy'
保存するテキストの coding-system を指定して、メッセージ、あるいは、パー トを入力したファイル名で保存する。
`#'
現在のメッセージかパートを印刷する。
`|'
現在のメッセージかパートをパイプで出力する。
`O'
メッセージを番号詰めして、再び一覧表示する。
`B'
格納されているメッセージを取り出す。
`D'
+trash フォルダのメッセージを全部消去する(See section 5.1 消去 `D'`X')。
`Z'
アドレス帳(See section 4.3 アドレス帳)などの情報を更新する。ただし、フォルダのリス トの情報は更新しない。
`C-uZ'
フォルダのリストも含んだすべての情報を更新する。
`C-cC-a'
現在のメッセージの情報をアドレス帳に登録する(See section 4.3 アドレス帳)。
`C-cC-v'
PGP のバージョンを切替える(See section 3.3 PGP/MIME を表示する)。
`C-cC-z'
昔ながらの自動処理できない PGP メッセージを PGP に復号化、検証させる。
`C'
送受信のケースを変更する。詳しくは、See section 9.8 送受信の動作変化 を参照のこと。


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3.7 スレッド

メッセージをやりとりしていると、対話の流れは木構造になります。この対話の 流れをスレッドといいます。Mew ではスレッドの木構造を可視化する機能があり ます。以下にスレッドの例を示します。

 
    5  07/02 Kazu Yamamoto  Go go Penang
    6  07/02 Neat Sumikawa    Go go Penang
   10  07/03 Kazu Yamamoto      Go go Penang
    7  07/02 Tatsuya Jinmei   Go go Penang

スレッドは、Virtual モードとして実現されています。たとえば、+inbox に対 しスレッドを作ると、++inbox というバッファが用意されます。Virtual モード に関する詳しいことは、See section 7.2 Virtual モード を参照して下さい。スレッドを作るに は以下のコマンドが用意されています。

`tt'
Summary モードで起動された場合は、その Summary モードのスレッドを作り Virtual モードに表示する。そして、Virtual モードにおいて、カーソルを現在 のメッセージに移動する。もし、対応する Virtual モードが存在しているなら、 その Virtual モードに表示を切り替える。Virtual モードで使用された際は、 対応する Summary モードへ移り、カーソルを現在のメッセージへ移動する。
`C-utt'
リージョンに対し、スレッドを作る。
`mt'
`*' マークの付いているメッセージに対し、スレッドを作る。

スレッドに特化した移動コマンドを以下に示します。

`tp'
現在のスレッドの頭に移動する。もし、あるスレッドの頭にカーソルがある場合 は、前のスレッドの頭に移動する。
`tn'
次のスレッドの頭に移動する。
`^'
親のメッセージに移動する。
`&'
長男のメッセージに移動する。
`('
兄のメッセージに移動する。
`)'
弟のメッセージに移動する。

スレッドにマークを付けるコマンドを以下に示します。

`t*'
現在のメッセージを頭とする部分木に属するメッセージすべてに `*' マー クを付けます。詳しくは See section 5.4 復習 `*' を参照して下さい。
`t@'
現在のメッセージを頭とする部分木に属するメッセージすべてに `@' マー クを付けます。詳しくは See section 5.3 一括 `@' を参照して下さい。
`td'
現在のメッセージを頭とする部分木に属するメッセージすべてに `D' マー クを付けます。詳しくは See section 5.1 消去 `D'`X' を参照して下さい。
`tM-d'
現在のメッセージを頭とする部分木に属するメッセージすべてに `X' マー クを付けます。詳しくは See section 5.1 消去 `D'`X' を参照して下さい。
`to'
現在のメッセージを頭とする部分木に属するメッセージすべてに `o' マー クを付けます。詳しくは See section 5.2 整頓 `o' を参照して下さい。

スレッドからマークを消すコマンドは、`tu' です。

スレッドを見易くするために、2 つの変数が用意されています。 `mew-use-fancy-thread'`t' にすると、親子関係を罫線を使って 可視化します。`mew-use-thread-separator'`t' にすると、スレッ ド間に区切りを表示します。デフォルトは、両方とも `nil' です。以下に `mew-use-fancy-thread'`t' にした例を示します。

 
    5  07/02 Kazu Yamamoto  Go go Penang
    6  07/02 Neat Sumikawa  ┣Go go Penang
   10  07/03 Kazu Yamamoto  ┃┗[Go go Penang
    7  07/02 Tatsuya Jinmei ┗Go go Penang


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3.8 メッセージのソート

フォルダ内のメッセージをソートするには `S' を使います。このとき次の ようにどのフィールドでソートするか訊いてくるので、ソートしたいフィールド 名を入力して下さい。

 
Sort by? (default date): 

指定したフィールドに書かれている文字列は単純に文字列比較でソートするべき ではありません。たとえば、Subject: はテキストと考えてよいのですが、Date: は日付、X-Mail-Count: は数字と考えてソートすべきです。このように文字列を どう取り扱うかをモードといいます。ソートによく指定されるフィールド名に対 するデフォルトのモードは `mew-sort-key-alist' で設定されています。

ソートのモードを明示的に指定、変更したい場合には `:' で区切って指定 します。たとえば X-Mail-Count: フィールドの内容を(テキストとしてではなく) 数値とみなしてソートしたい場合には、次のように入力します。

 
x-mail-count:num

フィールド名やモードは `TAB' で補完できます。

モードには、以下の 4 つがあります。

`text'
先頭の "Re: " や "Fw: " を取り除いた文字列。
`ml'
text と同じであるが、さらにメーリングリスト特有の文字列も取り除く
`num'
数値。
`date'
日付。

"Sort by?" と訊かれる際のデフォルトのフィールド名は、 `mew-sort-default-key' で設定できます。以下は、デフォルトの "date" を "x-ml-count" に変更する例です。

 
(setq mew-sort-default-key "x-ml-count")

`mew-sort-default-key-alist' で、フォルダごとにデフォルトのフィール ド名を設定することもできます。ここで指定しなかったフォルダでは、デフォル トのフィールド名として `mew-sort-default-key' の値が使われます。以 下は、+inbox フォルダでのデフォルトを "subject" に、+mew-dist フォルダで のデフォルトを "x-mail-count" に変更する例です。

 
(setq mew-sort-default-key-alist
      '(("+inbox" . "subject")
        ("+mew-dist" . "x-mail-count")))


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3.9 規格違反のメッセージ

以下のようなメッセージは、Content-Type: で charset が指定されていないの で、本来 US-ASCII と認識されてしまいます。

 
To: piglet
Subject: 規格違反のメッセージ
From: pooh
MIME-Version: 1.0
Content-Type: Text/Plain

日本語の本文

また以下のようなヘッダも規格違反です。

 
From: "=?iso-2022-jp?B?GyRCOzNLXE9CSScbKEI=?=" <kazu@iijlab.net>

上の例では "=?" と "?=" で囲まれた部分はもともと日本語でした。メッセージ の規格ではヘッダには ASCII のみが格納できると定められています。よって、 ASCII 以外の文字コードをヘッダに格納するには、ある規則に従って ASCII に 符号化する必要があります。しかし、この符号化された文字列を 「"」 で囲む のは間違いです。「"」で囲まれた文字列は、そのままの形で取り扱われます。 よって、上の例の "=?" と "?=" で囲まれた部分が日本語に復号化されることは 本来ありません。

規格に無頓着な一部のメーラではこのような間違いを平気で犯します。正しい対 処方法は、このようなメーラの作者に頼んで、規格を正しく実装するように変更 してもらうことです。しかし、このようなメーラはあまりにも多いので、Mew で はできる限り復号化するよう試みます。そして、以下のような警告をヘッダに出 します。

 
X-Mew: Charset for body is not specified.
       To: has encoded-words in quoted text.

もし、規格に厳密に復号化したいのなら、`mew-decode-broken' を nil に 設定して下さい。この値は `C-u.' を使うと動的に反転できます (See section 3.1 読み方の基礎 を参照)。

次のようなメッセージは、charset で指示されている文字コードと実際の文字異 なるため、文字化けを起こします。

 
Content-Type: Text/Plain; charset=ISO-2022-JP

Shift_JIS で書かれた日本語の本文

`C-cC-l' を使えば、charset で指定された文字コードを無視し、指定した 言語の推測規則に従って文字コードを推測し、再表示させることができます。ま た、`C-uC-cC-l' で明示的に文字コードを指定し、再表示させることも可 能です。


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4. メッセージを作成する

ここではメッセージの作成方法について説明します。

新しいメッセージを書くために、Draft モードに移行するには、次の手段があり ます。

  1. `M-x mew-send' と入力する。
  2. `mail-user-agent' が設定されている場合、`C-xm' と入力する。
  3. Summary モードで `w' を押す。

すると、以下のようなバッファが用意されます。

 
To: 
Subject:
From: Kazu Yamamoto <Kazu@Mew.org> 
X-Mailer:Mew version 2.0 on Emacs 20.7
----

これを Draft モードといいます。Draft モードにおいて、"----" より上をヘッ ダ、下を本文と呼びます。

またメッセージへの返答(`a'`A')や転送(`f'`F') でも Summary モードから Draft モードへ移行します。

草稿は、+draft フォルダの下に作成されます。同時に複数の草稿を持つことが 可能です。

以下、Draft モードの使い方を説明します。

4.1 ヘッダの補完  
4.2 ヘッダの循環的な補完  
4.3 アドレス帳  
4.4 メッセージの送信  
4.5 シグニチャと引用  
4.6 マルチパートの作成  
4.7 文字コードの決定  
4.8 メッセージへの返答と宛先の決定  
4.9 メッセージの転送  
4.10 メッセージの再送  
4.11 PGP を利用する  
4.12 マークを使った PGP/MIME の作成  
4.13 PGP の鍵の配布  
4.14 宛先を匿名にしたメッセージの送信  


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4.1 ヘッダの補完

ヘッダでは `TAB' に対し、以下ように各フィールド用の完機能が割り当て られています。

<フィールド名の補完>

行頭の単語中で、しかも、上の行の最後が "," で終る継続行でなければ、 `TAB'`mew-fields' に定義されているフィールド名を補完できま す。

 
To: kazu@mew.org
R`TAB'

上記の場所で `TAB' を押すと以下のようになります。

 
To: kazu@mew.org
Reply-To: 

<アドレスの短縮名の補完と展開>

Mew では、アドレス帳という機能を使って、長く分かりにくいアドレスに短く覚 えやすい短縮名を付けられます。たとえば、以下のように設定したとします。

 
pooh:           winnie-the-pooh@100acre.woodwest.uk

これは、アドレス "winnie-the-pooh@100acre.woodwest.uk" に "pooh" という 短縮名付けていることになります。この短縮名は、通常 "~/Mail/Addrbook" とい うファイルに設定します。アドレス帳の機能の詳細については、 See section 4.3 アドレス帳 を参照して下さい。

Draft モードのヘッダ内で、かつ、アドレスを書くべきフィールド上で、しかも、 1 文字以上の文字列が前にある場所で `TAB' を打つと、アドレスの短縮名 が補完されます。

例を挙げてみます。

 
To: piglet@beech.tree.uk, 
        po`TAB'

このように `TAB' を押すと、(他に候補が無ければ) "pooh" まで補完され ます。

 
To: piglet@beech.tree.uk, 
        pooh`TAB'

もう一度 `TAB' を押すと "winnie-the-pooh@100acre.woodwest.uk" に展 開されます。

 
To: piglet@beech.tree.uk, 
        winnie-the-pooh@100acre.woodwest.uk

アドレスが補完できない場所で `TAB' を打つと、単に `TAB' が入り ます。たとえば、以下の例を考えて下さい。

 
To: pooh,`TAB'

この場合、単に `TAB' が挿入されます。

"@"で終る文字列は強制的に展開します。たとえば、以下のように似たような 短縮名があった場合を考えて下さい。

 
pooh:           winnie-the-pooh@100acre.woodwest.uk
pooh-pooh:      pooh-pooh@somewhere.jp

"pooh" を "winnie-the-pooh@100acre.woodwest.uk" に強制的に展開するには、 以下のようにします。

 
To: pooh@`TAB'

<フォルダ名の補完>

Fcc: などのようにフォルダを補完すべきところでは、`TAB' でフォルダを 補完できます。以下例を挙げてみます。

 
Fcc: `TAB'

"+" が補完されます。

 
Fcc: +`TAB'

`TAB'をもう1度押すと候補が表示されるので、候補を見ながら適切な文字 を入力します。

 
Fcc: +B`TAB'

候補が一意に定まれば補完されます。

 
Fcc: +backup

<設定のヒント>

アドレスの短縮名とフォルダ名をどのフィールドで補完できるようにするかは、 `mew-field-completion-switch' で定義できます。デフォルトでは以下の ように宣言されています。

 
  '(("To:"         . mew-complete-address)
    ("Cc:"         . mew-complete-address)
    ("Dcc:"        . mew-complete-address)
    ("Bcc:"        . mew-complete-address)
    ("Reply-To:"   . mew-complete-address)
    ("Fcc:"        . mew-complete-folder)
    ("Resent-To:"  . mew-complete-address)
    ("Resent-Cc:"  . mew-complete-address)
    ("Resent-Dcc:" . mew-complete-address)
    ("Resent-Bcc:" . mew-complete-address)
    ("Newsgroups:" . mew-complete-newsgroups))


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4.2 ヘッダの循環的な補完

ヘッダでは、`C-cTAB' に循環的な補完機能が割り当てられています。循環 的な補完機能とは、あるリストのある値がそのリストの次の値に置き換えられる ことです。リストの最後は、最初につながっていると考えます。ヘッダ中の循環 的な補完機能は、以下のようにフィールドごとに異なります。

<ドメイン名の循環的な補完>

アドレスを書くべきフィールドでは、`C-cTAB' でドメインを補完します。 補完の候補は `mew-mail-domain-list' から選ばれます。

 
To: kazu@`C-cTAB'

上記の場所のように候補が一意に定まらない場合は、 `mew-mail-domain-list' の最初のドメイン名が挿入されます。

 
To: kazu@mew.org`C-cTAB'

補完された後、さらに `C-cTAB' を押すと `mew-mail-domain-list' の次の候補に変換します。

 
To: kazu@wide.ad.jp

また、以下の補完が一意に定まれば、その候補を挿入します。

 
To: kazu@w`C-cTAB'

上記の例は次のようになります。

 
To: kazu@wide.ad.jp

<From: の循環的な補完>

草稿には、あらかじめ "mew-name " という形式で、 From: フィールドが挿入されています。

 
From: Kazu Yamamoto (山本和彦) <Kazu@Mew.org>

From: フィールド上では、`C-cTAB'`mew-from-list' の値を循環 的に補完します。`mew-from-list' は自分で設定してもよいですし、自動 的に設定することも可能です。自動設定に関しては、See section 9.8 送受信の動作変化を参照して 下さい。

値の場所ならどこでも構いませんが、`C-cTAB' と入力すると、 この値を `mew-from-list' の次の値と置き換えます。たとえば、

 
From: Kazu Yamamoto (山本和彦) <Kazu@Mew.org>`C-cTAB'

は以下のようになります。

 
From: Kazuhiko Yamamoto <kazu@wide.ad.jp>

循環的な補完のフィールドと関数の対応は、 `mew-field-circular-completion-switch' で定義できます。デフォルトで は以下のように宣言されています。

 
  '(("To:"          . mew-circular-complete-domain)
    ("Cc:"          . mew-circular-complete-domain)
    ("Dcc:"         . mew-circular-complete-domain)
    ("Bcc:"         . mew-circular-complete-domain)
    ("Reply-To:"    . mew-circular-complete-domain)
    ("Resent-To:"   . mew-circular-complete-domain)
    ("Resent-Cc:"   . mew-circular-complete-domain)
    ("Resent-Dcc:"  . mew-circular-complete-domain)
    ("Resent-Bcc:"  . mew-circular-complete-domain)
    ("From:"        . mew-circular-complete-from)
    ("Resent-From:" . mew-circular-complete-from))


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4.3 アドレス帳

Mew 2.0 ではアドレス帳("~/Mail/Addrbook")が利用できます。アドレス帳には 2 つの書式が用意されています。一方は「展開規則」を指定する書式、他方は 「個人情報」を記述するための書式です。

まず、「展開規則」を記述するための書式を示します。

 
<shortname>: <address1>[, <address2>, <address3>,...]

このように短縮名と展開すべきアドレスを `:' で区切って書きます。複数 のアドレスに展開する場合は、それらのアドレスを `,' で区切ります。 (これは、To: などでアドレスが `,' で区切られているのと同じです。) `,' の後ろに空白を入れても構いません。以下に例を示します。

 
pooh:           winnie-the-pooh@100acre.woodwest.uk
piglet:         piglet@beech.tree.uk
friends:        pooh, piglet

Mew では多段の展開が可能です。たとえばこの例で、次のように "friends" を 展開してみましょう。

 
To: friends`TAB'

"friends" 内部で "pooh" と "piglet" に展開され、さらにそれぞれが展開され るので、次のようになります。

 
To: winnie-the-pooh@100acre.woodwest.uk, piglet@beech.tree.uk

次に、「個人情報」を記述するための書式を示します。

 
<shortname> <address1>[, <address2>, <address3>,...] <nickname> <fullname>

このように 4 つの要素を空白で区切ります。<shortname> が短縮名です。 <nickname> と <fullname> はそれぞれニックネームと正式な氏名であり、日本 語でも構いません。(ニックネームの使い方は See section 9.1 Summary mode と See section 9.3 Draft mode を参照して下さい。)

2 番目の要素はアドレスです。複数のアドレスをその人が持っている場合は、 `,' で区切って書きます。`,' の後に空白を入れても構いません。つ まり、この空白は要素の区切りではありません。また、`"' で囲まれた空 白も要素の区切りにはなりません。以下に例を示します。

 
kazu	kazu@mew.org, kazu@iijlab.net	Kazu-kun  "Kazuhiko Yamamoto"

「展開規則」の書式の場合と違って、「個人情報」の書式では、アドレスが順に 置き換えられていきます。以下の例を考えて下さい。

 
To: kazu`TAB'

"kazu" の後で `TAB' を打つと、"kazu@mew.org" に置き換わります。

 
To: kazu@mew.org`TAB'

次に "kazu@mew.org" の後で `TAB' を打つと、"kazu@iijlab.net" に置 き換わります。

 
To: kazu@iijlab.net`TAB'

さらに "kazu@iijlab.net" の後で `TAB' を打つと、"kazu@mew.org" に 戻ります。このように `TAB' を押すと、アドレスが循環的に置換されます。 アドレスを決定した後は、正式名称が付加できます。

 
To: kazu@mew.org`M-TAB'

このように `M-TAB' を押すと、以下のように正式名称が付加されます。

 
To: Kazuhiko Yamamoto <kazu@mew.org>

「個人情報」の書式では、各要素を省略できます。中間の要素を省略する場合は、 `*' と書いて下さい。以下に、アドレスに対してニックネームのみを定義 する例を示します。

 
*	kazu@mew.org, kazu@iijlab.net	Kazu-kun

ニックネームは Summary モードでのアドレスの置き換えと、Draft モードでの 引用記号の置き換え(See section 4.5 シグニチャと引用)に利用されます。

アドレス帳のコメント文字は `;'`#' です。`;' は行頭に ある場合のみコメントとなり、その行が無視されます。`#' は任意の場所 でコメントとなり、そこから行末までが無視されます。また、`\' は継続 行を表わします。

実はアドレス帳以外にも、自動的に追加される短縮名があります。メッセージを 送信した場合、To: と Cc: にあるアドレスは、ユーザ名が短縮名として登録さ れます。以下の例を考えて下さい。

 
To: kazu@mew.org

このメッセージを送信すると、アドレス "kazu@mew.org" に対し、短縮名 "kazu" が自動登録されます。ただし、すでに "kazu" という短縮名が自動登録 されているなら、`mew-addrbook-override-by-newone' の値に応じて上書 きするかを決定します。`nil' なら古い設定を残し、それ以外なら上書き します。展開の際は、アドレス帳の方が優先されます。アドレス帳に無い短縮名 のみが有効になります。自動登録されるのは通常 2000 個 (`mew-lisp-max-length')のアドレスまでです。それを越えて登録すると古 いものから消えていきます。これらの情報は Mew を終了する際に、 "~/Mail/.mew-alias" に保存されます。

Summary モードには、現在読んでいるメッセージの情報を Addrbook に登録する 機能があります。展開規則を登録するには `C-cC-a'、個人情報を登録する には`C-uC-cC-a' と入力して下さい。以下に個人情報を登録している例を 示します。

 
#If you want to register this entry, type C-c C-c.
#If you want to NOT register this entry, type C-c C-q.
Shortname: kazu
Addresses: kazu@mew.org
Nickname: 
Name: Kazuhiko Yamamoto
Comments: 

必要であれば加筆訂正します。実際に登録するには `C-cC-c'、登録を取り 止める場合は `C-cC-q'と入力して下さい。


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4.4 メッセージの送信

メッセージを書き上げ、いよいよ送信するには、以下の 2 つのコマンドのどち らかを選んで下さい。

`C-cC-m'
メッセージを作成し +queue に入れ、送信待ち状態にする。
`C-cC-c'
メッセージを作成し送信する。"Really send this message? (y or n) " と訊か れます。`y' を押して、送信して下さい。

メッセージが送信される際にどう加工されるか説明します。以下のようなメッセー ジを考えて下さい。

 
To: pooh
Subject: 明日の日曜日
From: Piglet <piglet@beech.tree.uk>
X-Mailer:Mew version 2.0 on Emacs 20.7
----
明日の日曜日、遊びませんか?

// ピグレット

たとえば、`C-cC-m' でこのメッセージを +queue に入れると、メッセージ は以下のように加工されています。

 
Date: Mon, 13 Mar 2000 19:49:50 +0900 (JST)
Message-Id: <20000313.194950.59499544.piglet@beech.tree.uk>
To: winnie-the-pooh@100acre.woodwest.uk
Subject: =?iso-2022-jp?B?GyRCTEBGfCRORnxNS0Z8GyhC?=
From: Piglet <piglet@beech.tree.uk>
X-Mailer:Mew version 2.0 on Emacs 20.7
Mime-Version: 1.0
Content-Type: Text/Plain; charset=iso-2022-jp
Content-Transfer-Encoding: 7bit

明日の日曜日、遊びませんか?

// ピグレット

Date: や Message-Id: が付加されたのはお分かりになるでしょう。Subject: に あった日本語は、配送に安全となるよう ASCII コードに変換されています。ま た、本文のデータ型や文字コードが推測され、正しく付加されていることは特筆 すべきでしょう。

+queue に溜ているメッセージを送信するには、以下の 2 つの方法があります。 どちらも Summary モードのコマンドであることに注意しましょう。

`i'
`mew-auto-flush-queue'`t' の場合は、メッセージを受信した後 に、+queue をフラッシュします。ダイアルアップ環境において、接続料金を節 約する意味でも、送信のための認証という意味でも、これはよい方法です。 `mew-auto-flush-queue' のデフォルトは `t' です。
`C-cC-c'
+queue をフラッシュします。+queue に行って、できあがったメッセージを見た 後に、このコマンドを使うと便利かもしれません。`mew-ask-flush-queue'`t' なら、"Flush queue? (y or n) " と訊かれます。 `mew-ask-flush-queue' のデフォルトは `nil' です。


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4.5 シグニチャと引用

ここでは、本文のテキストを便利に処理するコマンドについて述べます。

まずシグニチャについてです。カーソルのある場所に "~/.signature" を挿入す るコマンドは `C-cTAB' です。シグニチャファイルは、 `mew-signature-file' で設定できます。 `mew-signature-as-lastpart'`mew-signature-insert-last' を 設定することで、`C-cTAB' の動作をカスタマイズできます。

`C-cTAB'
カーソルの位置に "~/.signature" を挿入する。

次に引用についてです。Summary モードの `a'`A' を使ってメッ セージに返答するための草稿を用意すると、Emacs が3分割されます。上が現在 の Summary モード、中が Message モード、下が Draft モードです。

Message モードのテキストを引用するコマンドを以下に示します。

`C-cC-y'
Message モードからメッセージの一部をコピーし、引用ラベルと引用記号付で貼 り付ける。
  1. おおまかにいえば、Message モードの本文がコピーされる。たとえば、 Text/Plain が表示されていると、Message モード全体がコピーされる。 Message/Rfc822 が表示されている場合は、ヘッダを除いた本文がコピーされる。
  2. `C-uC-cC-y' では、ヘッダがあればヘッダをコピーする。
  3. Emacs のマークがあると、そのマークとカーソルの間が対象となる。
`C-cC-t'
Message モードからメッセージの一部をコピーし、引用ラベルと引用記号なしで 貼り付ける。

デフォルトの引用ラベルと引用記号は以下のようになります。

 
From: SUMIKAWA Munechika <sumikawa@ebina.hitachi.co.jp>
Subject: Wine
Date: Wed, 23 Jul 1997 11:40:50 +0900

> おはようからおやすみまでニートでおなじみの角川です。
> 
> さて、とろけるワイン作戦ですが、定石通り '90 のボルドーの
> カベルネ・ソービニョンを狙いたいと思います。ピノノアール
> がちょっぴりブレンドしてあるといいかも。

Draft モードでは Message モードに表示されているものならなんでも引用でき ます。つまり、複数のメッセージを簡単に引用できるのです。引用したいメッセー ジを表示させて、本文を引用する手順を、引用したいメッセージの回数だけ繰り 返して下さい。そのための3分割です。

本文やヘッダの色付けがおかしくなった場合、`C-cC-l' を実行することで、 色付けをやり直すことができます。


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4.6 マルチパートの作成

さて、ここでマルチパートの作り方を披露しましょう。

たとえば、+draft/1 でメッセージを書いているときに、`C-cC-a' と入力 すると、草稿の一番下に

 
----------------------------- attachments -----------------------------
      Multipart/Mixed                                         1/     
     1  Text/Plain(guess)                                       CoverPage*
     2                                                          .   
--------0-1-2-3-4-5-6-7-8-9--------------------------------------------

という行が挿入されます。"1/" はマルチパートを構築するための一時的なディ レクトリで、実体は "~/Mail/draft/mime/1" です。パート 1 の CoverPage は 本文を意味します。ここで Draft モードは次のようになっているでしょう。

 
To: mew-dist
Subject: ここがヘッダ
From: Kazu Yamamoto <Kazu@Mew.org> 
X-Mailer:Mew version 2.0 on Emacs 20.7
----
本文だよ。

----------------------------- attachments -----------------------------
      Multipart/Mixed                                         1/     
     1  Text/Plain(guess)                                       CoverPage*
     2                                                          .   
--------0-1-2-3-4-5-6-7-8-9--------------------------------------------

3つの領域を以下のように呼ぶことにします。

Draft モードでは、リージョンによってキー割当が違います。

たとえば、`TAB' は以下のようになります。

ヘッダ
さまざまな補完。
本文
TAB の挿入。
添付領域
なにもしない。

`c' だと以下のようになります。

ヘッダ
c を挿入。
本文
c を挿入。
添付領域
ファイルのコピー。

以下、添付領域でのキー割当です。

`C-p'
現在のディレクトリの前のファイルへ移動。
`C-n'
現在のディレクトリの後のファイルへ移動。
`C-f'
1 番目のサブディレクトリに移動。
`C-b'
親ディレクトリに移動。
`c'
ファイルのコピー。"." 上で有効。ネットワーク経由でも可。リモートのファイ ルをコピーする場合は、"/[user@]hostname:/filepath"の形式でファイルを指 定。
`l'
ファイルへシンボッリクリンクを張る。"." 上で有効。添付ファイルを `f' を使って読み込んで編集する場合は、実体を編集してしまわないよう に、`l' ではなく `c' でコピーすべき。
`d'
ファイルとディレクトリの消去。
`m'
サブディレクトリ(つまりマルチパート)の作成。"." 上で有効。
`f'
ファイルをバッファに読み込む。
`F'
新規ファイルをバッファに読み込む。"." 上で有効。
`y'
Message モードに表示されているメッセージにリンクを張る。"." 上で有効。
`e'
external-body の入力。"." 上で有効。
`a'
音をサンプリングしオーディオファイルとして挿入。"." 上で有効。
`p'
入力されたユーザの PGP 公開鍵を取り出す。"." 上で有効。
`D'
ちょっとした説明(Content-Description:)の入力。
`T'
データ型(Content-Type:)の変更。
`I'
Text/* 型のデータの入力 coding-system を指定する。
`C'
Text/* 型のデータの出力 coding-system を指定する。
`P'
受信側でこのパートを保存する際のファイル名(Content-Disposition:)の変更。 ファイル名の入力の際に、単に `RET'を押すと値が消える。そして、送信 側のファイル名が `*' と共に表示される。

添付領域では、ファイルのサフィックスによってデータを取り扱います。現在サ ポートしているサフィックスは以下の通りです。

 
.txt       Text/Plain
.html      Text/Html
.rtf       Text/Enriched
.css       Text/Css
.xml       Text/Xml
.sgml      Text/Sgml
[0-9]+     Message/Rfc822
.ps        Application/Postscript
.pdf       Application/Pdf
.doc       Application/Msword
.xls       Application/Vnd.Ms-Execl
.ppt       Application/Vnd.Ms-Powerpoint
.gif       Image/Gif
.tiff      Image/Tiff
.jpe?g     Image/Jpeg
.png       Image/Png
.xwd       Image/X-xwd
.xbm       Image/X-xbm
.bmp       Image/X-bmp
.au        Audio/Basic
.mpe?g     Video/Mpeg
.mov       Video/Quicktime
.*         Text/Plain

`c' でファイルをコピーすると、たとえば次のようになります。コピーす るときのファイル名は、適切なデータ型を推測できるようサフィックスに気を付 ければなんでもよいです。

 
----------------------------- attachments -----------------------------
      Multipart/Mixed                                         1/     
     1  Text/Plain(guess)                                       CoverPage*
B    2  Image/Gif                    MagicPoint のロゴ          mgp.gif
Q    3  Application/Postscript       資料                       ohp.ps
     4                                                          .
--------0-1-2-3-4-5-6-7-8-9--------------------------------------------

各行は、

から構成されています。

マーク(Content-Transfer-Encoding:)を変更する方法は、See section 4.12 マークを使った PGP/MIME の作成 を参照して下さい。データの型(Content-Type:)は `T' によって変えられ ます。説明(Content-Description:)は `D' で入力できます。この説明のカ ラムは、See section 4.12 マークを使った PGP/MIME の作成 で説明する暗号化の際に上書きされます。

第5カラムに表示されるのは、実際にはコピーしたファイル名か Content-Disposition:、つまり、受信者がそのパートを保存する際のファイル名 です。Content-Disposition: の値があれば、それが表示されます。なければ、 コピーしたファイル名に `*' を付加して表示します。ファイルをコピーし た際の Content-Disposition: の値は、コピーしたファイル名が指定されていま す。ただし、Message/* と Multipart/* には Content-Disposition: は設定さ れません。Content-Disposition: を指定するには、`P' を利用して下さい。

ファイルはシングルパートに、ディレクトリはマルチパートに対応します。で すから、ファイル構造を作っていく感覚で複雑なマルチパートを作成できます。 簡単でしょ?

ディレクトリのデフォルトの Content-Type: は Multipart/Mixed です。これも `T' によって変更できます。

お好みのマルチパートが作成できたら、前節で述べたように `C-cC-m'`C-cC-c' を利用してメッセージを送信して下さい。

パートの実体が外部にある external-body を作成するコマンド`e' につい て説明しましょう。access-type に ftp か anon-ftp を入力するときは、 ange-ftp のおかげでリモートのファイル名が補完できます。access-type が local-file の場合は、もちろんファイル名を補完できます。

もし、マルチパートの作成途中でやっぱりシングルパートに戻したくなったら、 一番上のマルチパート部分で `d' を押して下さい。


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4.7 文字コードの決定

Mew はシングルパートとマルチパートの両方に対し、配送時の文字コードを決定 する機能を持っています。

<シングルパート>

Draft モードで `C-cC-m'`C-cC-c' と入力しメッセージを作成す ると、Mew は本文の内部表現から配送時の文字コードを決定します。バイリンガ ル Emacs では、7ビットの文字コードに対し US-ASCII を選び、8 ビットの文字 コードに対し ISO-8859-1 を選択します。国際化 Emacs では、内部表現から Mew が定めた規則に従って、配送時の文字コードを決定します。

<マルチパート>

マルチパートの一部として添付するデータは、ファイルですからディスク上に存 在します。そこで、メッセージの作成の際に、配送時の文字コードを決定するた めには、まず Emacs のバッファに取り込み、内部表現に直す必要があります。 内部表現に直した後は、シングルパートと同様の方法で、配送時の文字コードを 決定します。

バイリンガル Emacs では、Mew はファイルをそのままの形式で読み込みます。 ですから、7ビットのファイルには US-ASCII が、8ビットのファイルには ISO-8859-1 が選ばれます。

国際化 Emacs では、Mew は環境(つまり auto conversion)に従って、文字コー ドを推測しながらファイルを読み込みます。国際化 Emacs でこの環境を決定す るコマンドは、`C-x RET l' です。

たとえば、日本語の環境では、国際化 Emacs は ISO-2022-JP、EUC-JP、そして、 Shift_JIS を見事に推測し、日本語用の内部表現に変換してバッファに格納しま す。Mew はこの内部表現から、配送時の文字コードとして ISO-2022-JP を選択 します。つまり、ファイルの文字コードが EUC-JP や Shift-JIS であっても、 配送用の ISO-2022-JP に自動的に変換されます。そこでユーザは、添付するファ イルの文字コードを気にすることなしに、ファイルを添付可能です。

もし、ディスク上のファイルの coding-system を明示的に指定したいなら `I' を使って下さい。これを入力文字コードと呼ぶことにします。また、 配送時の coding-system を明示的に指示したいなら、`C' を利用して下さい。

文字コードの情報は、添付領域において、丸括弧の内側に表示されます。もし、 配送時の文字コードが明示的に指定されていれば、それが表示されます。そうで なくて、入力文字コードが明示的に指定されていれば、それが "*" と共に表示 されます。そうでなければ、"guess" と表示されます。

以下の例の見て下さい。パート1は、本文ですからあらかじめバッファ内にあり ます。"guess" と表示されていますから、配送時の文字コードを Mew が定めた 規則に従って決定します。

パート2は、入力文字コードとして iso-8859-1 が指定されていますので、ファ イルの文字コードを iso-8859-1 であるとして読み込み、内部表現に変換します。 配送時の文字コードは Mew が定めた規則に従って決定します。

パート 3 の入力文字コードは、この例だけからだと明示的に指定されているか 分かりません。(しかし、ユーザ自身はは実際に指定したか分かっているはずで す。) とにかく、ファイルは内部表現に直され、配送時の文字コードに指定され ている EUC-JP に変換されます。

 
----------------------------- attachments -----------------------------
      Multipart/Mixed                                         1/     
     1  Text/Plain(guess)                                       CoverPage*
     2  Text/Plain(*iso-8859-1)                                 text1
B    3  Text/Plain(euc-jp)                                      text2
     4                                                          .    
--------0-1-2-3-4-5-6-7-8-9--------------------------------------------

バイリンガル Emacs では `C'`I' は利用できません。


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4.8 メッセージへの返答と宛先の決定

新規にメッセージを書く場合は、To: や Cc: を自分で書くことになります。一 方 Summary モードで `a'`A' を使って、あるメッセージに返答 しようとすると、To: や Cc: は自動的に用意されます。

返答の際、Mew は以下のような手順に従って To: や Cc: を用意します。

返答するメッセージの From: が自分以外の場合:
返答するメッセージに Reply-To: がない場合:
返答するメッセージの From: を To: へ (1)
返答するメッセージの To: と Cc: を Cc: へ (2)
返答するメッセージに Reply-To: がある場合:
返答するメッセージの From: と Reply-To: を To: へ (3)
返答するメッセージの To: と Cc: を Cc: へ (4)
返答するメッセージの From: が自分である場合:
返答するメッセージの To: を To: へ (5)
返答するメッセージの Cc: を Cc: へ (6)

ただし、あるアドレスが複数ある場合は、自動的に 1 つになります。また、匿 名の宛先を表す ":;" で終るアドレスも、自動的に消去されます。

自分のアドレスは自動的に消去されます。自分のアドレスは、 `mew-config-alist' などから `mew-mail-address-list' に自動設定 されます。この値が気に入らないなら、以下のように明示的に設定することも可 能です。

 
(setq mew-mail-address-list
       '("^pooh@[a-z]*.aist-nara.ac.jp$"
         "^pooh@mew.org$"
         "^winnie@iijlab.net$"))

(1) 〜 (6) でどのフィールドをコピーするかは、以下の変数で指定できます。

Reply-To: がある場合に、Reply-To: だけに返答したいと思うなら、以下のよう に設定すればよいでしょう。

 
(setq mew-replyto-to-list '("Reply-To:"))
(setq mew-replyto-cc-list nil)

`C-ua'`C-uA' を利用すると、返答するメッセージの From: が To: に入り、Cc: は空になります。送信者のみに返答する場合に利用します。


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4.9 メッセージの転送

メッセージを転送するには、Summary モードで `f'`F' を利用し ます。すると、Draft モードに移行し、あらかじめメッセージが添付領域に添付 された草稿が準備されます。

また Draft モードで添付領域を用意し、メッセージをコピー(`c')したり メッセージにリンク(`l')を張ったりしても、メッセージを転送できます。 ファイル名が数字([0-9]+)の場合は、自動的にメッセージだと判断されます。ま た、添付領域で `y' を使うと、Message モードに表示しているメッセージ にリンクを張るので便利です。

通常は添付したメッセージの全体が転送されます。もし、ヘッダの一部を削りた い場合は、`mew-field-delete-for-forwarding' を定義して下さい。以下 に "Received:" と "Return-Path:" を転送時に削るための設定例を示します。

 
(setq mew-field-delete-for-forwarding '("Received:" "Return-Path:"))


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4.10 メッセージの再送

メッセージのヘッダの一部のみを変更して、送信したい場合があります。

たとえば、同じ内容のメッセージを、複数の宛先に独立して送りたい場合です。 pooh 宛のメッセージを作成して、+queue に入れ、すぐさまそのメッセージをコ ピーし、宛先だけを piglet に変更したい場合を想像して下さい。これを、メッ セージの再利用による送信と呼びましょう。

また、メッセージに Resent-To: というフィールドを付けて再送したいこともあ ります。これは、転送の一種です。こちらはヘッダだけ書き直すので、ヘッダ変 換といいます。前節で説明した転送は、メッセージを新規のメッセージに包み込 んで転送するため、カプセル化と呼ばれています。

ヘッダの一部だけを編集し、メッセージを送信したり、キューに入れたりするモー ドとして、Header モードが用意されています。本文が編集できない Draft モー ドだと思えばいいでしょう。

Header モードに入るために、Summary モードには以下のコマンドが用意されて います。

`W'
メッセージの再利用による送信。対象となるメッセージの To:、Cc:、From: な どを書き換えるために、Header モードに移行する。典型的には、+queue に入っ ているメッセージに対して利用する。
`r'
メッセージの再送。対象となるメッセージのヘッダに、Resent-To:、Resent-Cc:、 Resent-From: などを追加するために、Header モードに移行する。再送によるメッ セージの転送は、受信者を混乱させることがあるので、よく考えてから利用する こと。

Header モードでは、Draft モードのように、補完や循環的な補完が利用できま す。ヘッダの入力が終わったら、以下のいずれかのコマンドを用いて、メッセー ジを送信して下さい。本文が表示されていないので不安かもしれませんが、ちゃ んと対象となっているメッセージの本文とヘッダの一部が再利用されます。

`C-cC-m'
メッセージを作成し +queue に入れ、送信待ち状態にする。
`C-cC-c'
メッセージを作成し送信する。"Really send this message? (y or n) " と訊か れます。`y' を押して、送信して下さい。


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4.11 PGP を利用する

ここでは、テキストである本文を PGP で署名したり暗号化したりする方法につ いて説明します。紹介するコマンドは以下の通りです。

`C-cC-s'
草稿全体を PGP で署名する。パスフレーズを入力すること。
`C-cC-e'
草稿全体を PGP で暗号化する。
`C-cC-b'
草稿全体を PGP で署名後暗号化する。パスフレーズを入力すること。
`C-cC-r'
草稿全体を PGP で暗号化後署名する。パスフレーズを入力すること。

メッセージを暗号化するには受信者の公開鍵を使用します。逆に署名するには自 分の秘密鍵を使います。よって、署名するためにはパスフレーズを入力する必要 があります。ただし、パスフレーズの保存機能を使っており、パスフレーズが保 存されている場合は、パスフレーズを入力する必要はありません (See section 3.3 PGP/MIME を表示する)。

これらは、次節で説明するマークを使った PGP/MIME の作成方法の省略方法に当 たります。

Mew で PGP を使うためには、PGP の userid としてアドレスを選ぶ必要があり ます(例 "Kazuhiko Yamamoto ")。

メッセージに署名を施すには、`C-cC-s' と入力します。署名の際には、自 分の秘密鍵を復号化する必要がありますので、パスフレーズがキャッシュされて いなければ、入力を促されます。署名が施されたメッセージは、+queue に格納 されます。

自分の秘密鍵は、From: にあるアドレスを元に特定されます。From: がない場合 は、PGP が自動的にデフォルトの秘密鍵を選択します。From: にあるアドレスと は違うアドレスで秘密鍵を指定したい場合は、`C-uC-cC-s' と入力して下 さい。

メッセージを暗号化するには、`C-cC-e' とタイプして下さい。To: や Cc: からアドレスを切り出して、その受信者が復号化できるよう暗号化します。暗号 化するだけのなので、パスフレーズを訊かれることはありません。作成されたメッ セージは、+queue に格納されます。

このメッセージは、受信者の公開鍵に加えて、自分の公開鍵でも暗号化されてい ます。ですから、作成したメッセージを復号化できます。たとえば、`g' で +queue に移動し、念のため復号化して確認することが可能です。

署名後暗号化するには、`C-cC-b' と入力します。暗号化後署名するには、 `C-cC-r' とタイプします。どちらの場合も作成されたメッセージは、 +queue に蓄えられます。

PGP で署名を施したり、暗号化したりしてメッセージを送ろうと思っていても、 うっかり忘れることがあります。そのため、メッセージを作成するコマンド `C-cC-m'`C-cC-c' に対し、必要に応じて PGP を起動させる機能 があります。

作成するすべてのメッセージのプライバシを保護したいなら、 `mew-protect-privacy-always'`t' にして、 `mew-protect-privacy-always-type' に利用したいサービスを設定します。

暗号化されたメッセージに対する返答メッセージのプライバシを保護したいなら、 `mew-protect-privacy-encrypted'`t' にして、 `mew-protect-privacy-encrypted-type' に利用したいサービスを設定しま す。この設定は、暗号化されたメッセージへの返答する場合、上記のすべてのメー ルに対する設定よりも優先されます。

以下に利用できるサービスを示します。かっこ内はそれぞれのサービスを表すシ ンボルです。`C-cC-m'`C-cC-c' と入力する際に利用されるサー ビスは、モードラインに表示されます。

pgp-signature (PS)
署名
pgp-encryption (PE)
暗号化
pgp-signature-encryption (PSPE)
署名後暗号化
pgp-encryption-signature (PEPS)
暗号化後署名

以下の例は、すべてのメッセージに対し署名する設定です。

 
(setq mew-protect-privacy-always t)
(setq mew-protect-privacy-always-type 'pgp-signature)

以下の例は、暗号化されたメッセージへの返答メッセージに対し、暗号化する設 定です。

 
(setq mew-protect-privacy-encrypted t)
(setq mew-protect-privacy-encrypted-type 'pgp-encryption)

Draft モードでは、`C-cC-pC-a'`mew-protect-privacy-always'`C-cC-pC-e'`mew-protect-privacy-encrypted' の値を反転でき ます。

Draft モードにおいて現在書いている草稿対してのみあらかじめサービスを指定 しておき、送信時にサービスを施すことを忘れないようにできます。現在の草稿 に対し `C-cC-m'`C-cC-c' で施されるサービスを指定するには、 `C-cC-pC-d' に続いて上記のサービスの 1 つを入力して下さい。


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4.12 マークを使った PGP/MIME の作成

PGP/MIME をサポートするために、マークを使った作成方法が提供されています。 以前の例を思い出してみましょう。

 
----------------------------- attachments -----------------------------
      Multipart/Mixed                                         1/     
     1  Text/Plain(guess)                                       CoverPage*
B    2  Image/Gif                    MagicPoint のロゴ          mgp.gif
Q    3  Application/Postscript       資料                       ohp.ps
     4                                                          . 
--------0-1-2-3-4-5-6-7-8-9--------------------------------------------

行頭に `B'`Q' といったマークがあります。このマークは符号化 を意味しています。Mew では、新しい概念「符号化」を導入しています。符号化 には、Base64, Quoted-Printable, Gzip64 (Gzip + Base64), PGP で署名, PGP で暗号化などがあります。

現在次の 6 つのマークがサポートされています。

`" "'
符号化しない。ただし、8ビットのテキストは符号化されるかもしれない。
`B'
Base64
`Q'
Quoted-Printable
`G'
Gzip64(gzip 圧縮し Base64 で符号化する。Mew が実験的に採用している。相手 が Mew を使っていない場合は、使用すべきではない。)
`PS'
PGP で電子署名。
`PE'
PGP で暗号化。

添付領域でのマークに関係する新しいキー割当は以下の通りです。

`B'
Base64 で符号化するため `B' マークを付ける。
`Q'
Quoted-Printable で符号化するため `Q' マークを付ける。
`G'
Gzip64 で符号化するため `G' マークを付ける。ただし、Text/Plain と Application/Postscript でしか実行できない。これ以外の型には圧縮は無意味 である。なぜなら、jpeg などはあらかじめ圧縮されているから。
`S'
PGP で署名するため `PS' マークを付ける。
`E'
PGP で暗号化するため `PE' マークを付ける。受信者のアドレスを入力す る。
`U'
符号化を元に戻す。元々のマークに戻る。

次の例を考えてみましょう。パート 2 は PGP で署名され、"kazu" 用に PGP で 暗号化されます。安心して下さい。説明の部分は上書きされていますが、保存さ れています。パート 3 は Gzip64 で符号化されます。

 
----------------------------- attachments -----------------------------
      Multipart/Mixed                                         1/
     1  Text/Plain(guess)                                       CoverPage*
PSPE 2  Image/Gif                    kazu@mew.org               mgp.gif
G    3  Application/Postscript       資料                       ohp.ps
     4                                                          .
--------0-1-2-3-4-5-6-7-8-9--------------------------------------------

適宜マークを付けた後は、`C-cC-m'`C-cC-c' を使って、 PGP/MIME を作成して下さい。


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4.13 PGP の鍵の配布

PGP の公開鍵を配布するには、Draft モードの添付領域で `p' を押して下 さい。だれの公開鍵を配布するか尋ねられます。自分の公開鍵であれば、単に `RET' と入力して下さい。他人の公開鍵であれば、補完を利用しながらそ の人のアドレスを入力して下さい。PGP の公開鍵は、Application/Pgp-keys と いうデータ型で配送されます。

Summary モード、あるいは、Virtual モードでメッセージを読んでいる際に、あ るパートのデータ型が Application/Pgp-keys であれば、Mew は PGP の公開鍵 リングにそれを登録しようとします。Mew は、「信用度」と「有効性」を全く考 慮しないことに注意して下さい。これらの値を設定するのは、あなた自身です。 設定は Mew が表示する説明に従って下さい。。もし、「信用度」と「有効性」 の意味が分からなければ、PGP を使って自分のプライバシを保護しようとする前 に、PGP が提供する「信用の輪」とは何かを学ぶべきです。


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4.14 宛先を匿名にしたメッセージの送信

宛先を匿名にして、複数の受信者にメッセージを送信したいことがあります。

たとえば、pooh がパーティーへのお誘いを複数の友達に送ることを考えて下さ い。パーティーへ参加するという piglet からの返事は、pooh のみに送るべき です。しかし、To: にたくさんの友達を列挙していると、piglet は誤って多く の人に返答を送りつけてしまうかもしれません。そもそも、pooh は誰を誘った のか、当日までふせておきたいこともあるでしょう。

このような要望を実現するために、Mew では匿名の宛先として、":;" を利用し ます。以下の例を見て下さい。

 
To: party:piglet@beech.tree.uk,roo@beech.tree.uk;
From: Pooh <winnie-the-pooh@100acre.woodwest.uk>

"party" という説明文字列の後に ":" があります。そして、いくつかアドレス が "," で区切られながら列挙され、";" で終端されています。このような形式 でアドレスを書くと、Mew は ":" と ";" のアドレスにメッセージを届けますが、 ヘッダからは削り取ります。この例では、piglet と roo は以下のようなメッセー ジを受け取ります。

 
To: party:;
From: Pooh <winnie-the-pooh@100acre.woodwest.uk>

受信者はこのヘッダから、送信者は pooh であることは分かりますが、自分以外 の誰に送られたのかは、想像するほかありません。また、"party:;" という文字 列は、アドレスではありませんから、ここに返答することも不可能です。

なお、To: や Cc: にたくさんのアドレスを列挙することは、本質的によいこと ではありません。特定の人にメッセージを何度も送信する機会があるなら、通常 メーリングリストを作成します。


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5. 愉快なマークたち

ここでは、Summary モードで利用できるマークについて説明します。マークは以 下のように、数字の右に付きます。

 
    1D 07/17 いとぢゅん     Re: N+I 2001 Tokyo IPv6 ShowCase
    2o 07/18 歌代先生       神田和泉屋
    3* 07/19 のむさん       refile info.

現在利用できるマークは以下の5つです。

`D'
`X'
消去のマーク。
`o'
整頓、つまり、フォルダを移動させるマーク。
`@'
複数のメッセージを一度に扱うためのマーク。
`*'
後から読み返すためのマーク。

以下それぞれについて説明します。

5.1 消去 `D'`X'  
5.2 整頓 `o'  
5.3 一括 `@'  
5.4 復習 `*'  
5.5 マークの消去  
5.6 マークの強さ  


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5.1 消去 `D'`X'

メッセージを消去するには、まず Summary モードで `d' を押して、 `D' マークを付けます。マークを付けただけでは何も起こらないので、間 違って `d' を押しても大丈夫です。デフォルトでは、`x' を押すと `D' マークの付いたメッセージが +trash フォルダに移動します。

+trash フォルダ内のメッセージを実際に消去するには、デフォルトでは以下の 2 つの方法があります。

  1. Summary モードで `D' を実行する。
  2. +trash フォルダ内で `D' マークを付けて、`x' を押す。

これまでしつこいように「デフォルトでは」と念を押してきました。ここでいう デフォルトとは、`mew-msg-rm-policy'`'trashonly' であるとい うことです。`mew-msg-rm-policy' は以下のような値をとれます。それぞ れの説明は `x' を押した際の動作についてです。

`'totrash'
+trash フォルダ以外のフォルダでは、`D'マークの付いたメッセージが +trash フォルダに移動します。+trash フォルダでは単にマークが消えます。
`'always'
`D' マークの付いたメッセージは実際に消去されます。
`'trashonly'
+trash フォルダの `D' マークの付いたメッセージは、実際に消去されま す。それ以外のフォルダにある `D' マークの付いたメッセージは、+trash フォルダに移動します。
`'uselist'
`mew-msg-rm-folder-list' で指定されたフォルダの `D' マークの付 いたメッセージは、実際に消去されます。それ以外のフォルダにある `D' マークの付いたメッセージは、+trash フォルダに移動します。
`それ以外'
`'totrash' と同様に扱われます。

自分の好きなように `x' の動作をカスタマイズして下さい。

すべての `*' マークを `D' に変換できれば、一度にたくさんの `D' マークを付けれて便利です。これには、`md' を利用して下さい。

`D' マークに似たものに `X' マークがあります。このマークの付け られたメッセージは、`mew-msg-rm-policy' の値が何であれ、`x' を 押した際に実際に消去されます。`X' マークは、`M-d' で付けること ができます。

以下に、`D' マークと `X' マークに関するコマンドをまとめます。

`d'
`D' マークを付ける。
`M-d'
`X' マークを付ける。
`x'
`D' マークの付いたメッセージを `mew-msg-rm-policy' に従って処 理する。また、`X' マークの付いたメッセージを消去する。
`mxd'
`D' マークの付いたメッセージのみを `mew-msg-rm-policy' に従っ て処理する。
`mxM-d'
`X' マークの付いたメッセージのみを消去する。
`md'
`*' マークすべてを `D' マークに変換する。
`mM-d'
`*' マークすべてを `X' マークに変換する。


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5.2 整頓 `o'

メッセージを整頓するには `o' を押して、整頓先のフォルダを入力し、 `o' マークを付けます。整頓先のフォルダは、賢く推測してくれるので、 ほどんどの場合はフォルダ名を入力する代わりに `RET' を押すだけです。 "," で区切って複数のフォルダを入力することもできます。もちろん、 `TAB' で補完できます。詳しくは See section 6. 楽々整理整頓 を参照して下さい。

`o' マークの付いたメッセージの上で `o' を押すと、整頓先を追加 したり変更したりできます。また、実際の整頓は `x' と入力されたときに 実行されます。

以下に、`o' マークに関するコマンドをまとめます。

`o'
`o' マークを付ける。
`x'
`o' マークの付いたメッセージを整頓する。
`mxo'
`o' マークの付いたメッセージのみを整頓する。他のマークは処理しない。
`mo'
`*' マークの付いたメッセージに対し入力されたフォルダへ整頓するため の `o' マークを付ける。


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5.3 一括 `@'

複数のメッセージを一度に取り扱うためには、`@' マークを付けます。 `@' マークが付いた単数/複数のメッセージを取り扱うコマンドは以下の 通りです。

`@'
`@' マークを付ける。
`F'
`@' マークの付いたメッセージを MIME 形式で転送するための草稿を準備。
`M-s'
`@' マークの付いたメッセージを "unshar" の入力として渡す。つまり、 shar (の後に split)されたデータを取り出す。
`M-t'
`@' マークの付いたメッセージを "uumerge" の入力として渡す。つまり、 uuencode (の後に split)されたデータを取り出す。
`M-b'
`@' マークの付いたメッセージに格納されているメッセージを取り出す。
`J'
大きなメッセージは Message/Partial として複数に分割されている場合がある。 このコマンドは、`@' マークの付いた Message/Partial のメッセージか ら元のメッセージを生成する。

`M-s'`M-t' では、`@' マークの付いたメッセージの番号 がきちんと分割順になっている必要があります(番号はとびとびでも構いません)。 ちゃんと順番になってないなら、`S' でソートするとよいかもしれません。


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5.4 復習 `*'

後から読み返したいメッセージには、`*'`*' マークを付けて下 さい。また、選択コマンド `?' を使うと、入力した条件にマッチするメッ セージに`*' マークが付きます(詳しくは、See section 7. メッセージの選択 を参照して下さい)。 `N'`P'`*' マークの付いたメッセージに移動し表示で きます。

以下に、`*' に関連するコマンドを示します。

`*'
`*' マークを付ける。
`N'
下方向の `*' マークの付いたメッセージへ移動し表示。
`P'
上方向の `*' マークの付いたメッセージへ移動し表示。
`M-n'
下方向の `*' マークの付いたメッセージへ移動しキーワードをハイライト して表示。このコマンドを繰り返し利用すると、キーワードの付近がが次々と表 示されていく。キーワードは、そのバッファにローカルな値として管理されてお り、`C-u?'`C-u/' (See section 7. メッセージの選択 を参照) を利用すると設定され る。キーワードが設定されていないなら、ユーザにキーワードを訊く。
`C-uM-n'
キーワードを明示的に設定できること以外は、`C-n' に同じ。
`M-p'
`M-n' を逆方向にしたコマンド。
`C-uM-p'
`C-uC-n' を逆方向にしたコマンド。
`ma'
マークの付いていないメッセージすべてに `*' マークを付ける。
`mr'
入力した正規表現にマッチしたメッセージに `*' マークを付ける。
`md'
`*' マークを `D' マークに変換。選択コマンド `?' で選んだ メッセージを消去するときに便利。
`mo'
`*' マークを `o' マークに変換。選択コマンド `?' で選んだ メッセージをあるフォルダに整頓する場合に便利。


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5.5 マークの消去

`o' マークや `D' マークが付いたメッセージは、マーク実行コマン ド `x' を押さない限り処理されません。よって、`x' を押す前に、 マークを取り止めるコマンド `u' でマークを消せば、誤ってメッセージを 消すことはありません。

以下にマークを消去するコマンドをまとめます。

`u'
現在のメッセージのマークを消す。
`U'
入力したマークが付いているすべてのメッセージのマークを消す。


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5.6 マークの強さ

マークには「強いマーク」と「弱いマーク」があります。同じレベルのマークは 上書きできます。強いマークは弱いマークを上書きできます。

マークを付けた際の動作は、以下の通りです。

強いマーク :: `o'`D'
新たにマークしたときは、次のメッセージを表示。上書きした場合は、その行に 留まる。
弱いマーク :: `*'`@'
常にその行に留まる。

強いマークを付けた後にカーソルが動く方向については、See section 9.1 Summary mode を参照して下さい。

マークは以下のように交換できます。

`m@'
`*' -> `@' :: 選択コマンド `?' で選び、"uumerge" を起動 するコマンド `M-t' を利用する場合に便利。
`m*'
`@' -> `*'
`ms'
`@' <-> `*'
`md'
`*' -> `D' :: 選択コマンド `?' で選んだメッセージを消去すると きに便利。
`mo'
`*' -> `o' :: 選択コマンド `?' で選んだメッセージをあるフォル ダに整頓する場合に便利。


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6. 楽々整理整頓

1日に数百のメッセージを受け取るようになると整理整頓が大変になります(え、 そんなに受け取らないですって? 幸せですね :) 。Mew では、`o' でメッ セージを整頓する際に、整頓先を推測しデフォルト値として表示してくれます。 たとえば、次のようになります。

 
Folder name (+work/mew-dist): +

もし、() の中のデフォルト値が自分の希望通りであれば、`RET' を押すだ けでよいのです。整頓先が決定しているメッセージには、`o' マークが付 きます。

この整頓先の推測が賢ければ賢い程ユーザは楽になります。Mew では以下のよう な規則が用意されています。

6.1 メーリングリスト用のフォルダから推測  
6.2 指定した規則から推測  
6.3 対話関係から推測  
6.4 個人用のフォルダから推測  
6.5 From: から推測  
6.6 Newsgroups: から推測  
6.7 デフォルトの規則  
6.8 規則の制御  
6.9 自動で整理整頓  


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6.1 メーリングリスト用のフォルダから推測

あるメーリングリスト宛のメッセージを、そのメーリングリスト名のフォルダに 整理することは多いと思います。Mew ではメーリングリスト宛に届いたメッセー ジに対して、それ用のフォルダを推測する機能があります。

たとえば、+misc/pooh-lovers というフォルダがあったとしましょう。次のよう なメッセージは、このフォルダに整頓すればよい可能性が高いといえます。

 
To: pooh-lovers@mew.org 

このように、To: や Cc: のアドレスが、フォルダ名の一番右側にマッチするも のがないか探すわけです。フォルダを階層化していない人が多いようですが、 Mew を使う限り、階層化しない手はありません。

さて、鋭い人は次のように個人のアドレスが To: や Cc: にある場合、困るので はないかと思うでしょう。

 
To: piglet@mew.org
Cc: pooh-lovers@mew.org

たとえば、pooh は pooh-lovers の一員ですから、このメッセージが届きます。 しかし、piglet と仲がいいので、+from/piglet にマッチしてしまいます。

そこで、Mew では無視するフォルダを設定できるようになっています。デフォル トでは、+from 以下を無視します。ですから、個人からのメッセージは +from 以下にに収めて下さい

候補が決定できたら

 
Folder name (+misc/pooh-lovers): +

と訊いてきます。あっていれば `RET' を、違っていればお望みのフォルダ を入力して下さい。

`o' で新しいフォルダを指定すると、そのフォルダが自動的に作成され、 次からは推測用の候補にも加わります。便利でしょ?

この機能を提供する関数は `mew-refile-guess-by-folder' です。


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6.2 指定した規則から推測

フォルダ名から推測する機能だけでは、思うようなフォルダを推測してくれない 場合があります。たとえば、To: が staff@mew.org であるメッセージと To: が staff@iijlab.net であるメッセージに対し、フォルダ名からの推測では同 じフォルダ(たとえば、"+net/staff")が選ばれてしまいます。そこで、Mew では、 変数 `mew-refile-guess-alist' に明示的に規則を設定できます。

1つ例を挙げてみましょう。

 
(setq mew-refile-guess-alist
  '(("To:"
      ("staff@mew.org" . "+net/mew/staff")
      ("staff@iijlab.net" . "+net/iijlab/staff"))))

これは、メッセージヘッダ中の To: の横の文字列に staff@mew.org があれば +net/mew/staff へ、staff@iijlab.net があれば +net/iijlab/staff へ整頓す るという意味です。

規則は、以下のように書きます。

 
rule ::= '((<key> <alist>) (<key> <alist>) (<key> <alist>) ...)

全体は (<key> <alist>) のリストです。<key> はフィールド名を書きます。 <alist> は以下のようになります。

 
<alist> ::= (<value> . <folder>|<rule>) (<value> . <folder>|<rule>) ...

<value> は <key> で示したフィールドにくる値です。<folder> は <key> にマッ チした際にどのフォルダに整頓するかを意味しています。<value> と <folder> を `.' で区切るのを忘れないで下さい。<folder> の代りに <rule> を再 帰的に記述することもできます。

特殊な <key> として `nil'`t' があります。`nil' は、何 も推測できなかった場合に返す <value> を指定するために用います。`t' は、推測した値に加えて返す <value> を指示するために使います。

正規表現を知っている人は、以下のような複雑な規則を設定できます。

 
(setq mew-refile-guess-alist
  '(("Newsgroups:"
    ("^nifty\\.\\([^ ]+\\)" . "+Nifty/\\1")
    (".*"         . "+rec/news"))
   ("To:"
    ("\\(inet\\|wide\\)@wnoc-fuk" . "+wide/\\1-wnoc-fuk"))
   ("From:" 
    ("uucp@"      . "+adm/uucp")
    ("ftpsync@"   . "+adm/ftpsync"))
   (nil . "+unknown")))

この機能を提供する関数は `mew-refile-guess-by-alist' です。


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6.3 対話関係から推測

Mew には、整頓しようとしているメッセージの親のメッセージが以前整頓された フォルダを選択してくれる機能があります。

たとえば、pooh、piglet、roo との間で、蜂蜜を取りに行こうという話題が盛り 上がったとしましょう。pooh は、+project/honey というフォルダを作って、最 初のメッセージをそこに 整頓したとしましょう。以降、3人の間のメッセージが きちんとした返答であるかぎり、+project/honey を推測してくれます。

あるメッセージをどこに保存したかという情報は、 "~/Mail/.mew-refile-msgid-alist" に保存されています。この情報を過去何通 のメッセージに関して保存するかは、`mew-lisp-max-length' で決定しま す。デフォルトは 1000 通です。2000 通にしたい場合は "~/.mew.el" 中で以下 のように設定して下さい。

 
(setq mew-lisp-max-length 2000)

この機能を提供する関数は `mew-refile-guess-by-thread' です。


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6.4 個人用のフォルダから推測

See section 6.1 メーリングリスト用のフォルダから推測 で説明したメーリングリスト用のフォルダを推測するに加え て、個人用のフォルダを推測する機能があります。個人用のフォルダは +from 以下にありますから、+from 以下のフォルダを選択する機能だともいえます。以 下の例を考えてみましょう。

 
To: pooh@mew.org
From: piglet@mew.org

piglet から pooh にメッセージが来ました。pooh がこの機能を使うと、From: を手がかりに +from/piglet が選択されます。(+from 以下は階層化されていて も構いません。また、フォルダ名はユーザ名だけではなくアドレス全体でも OK です。)

この機能を提供する関数は、`mew-refile-guess-by-from-folder' といいます。

次に、pooh が piglet に返答した場合を考えましょう。pooh は自分自身に Cc: していたので、自分にメッセージが戻ってきました。

 
To: piglet@mew.org
Cc: pooh@mew.org
From: pooh@mew.org

pooh の立場になって考えてみて下さい。このメッセージを +from/pooh に整頓 するか、あるいは +from/piglet に整頓するのかは、好みが分かれるところでしょ う。そこで、どちらを選択するのかカスタマイズできるようになっています。

`mew-refile-guess-from-me-is-special'`t' なら、 `mew-refile-guess-by-from-folder' は、From: が自分のアドレスの場合 に、To: と Cc: にあるアドレスをもとに、+from 以下のフォルダを選択します。


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6.5 From: から推測

From: に同一のアドレスを持つメッセージが、かつてどこに整頓されたかによっ て推測する機能があります。

たとえば、piglet は piglet@beech.tree.uk と p-p-p@mew.org の 2 つのア ドレスを持っているとしましょう。どちらのアドレスからメッセージが届いても、 pooh はそれらを +from/piglet に整頓したいと思っています。もちろん、以下 のように明示的に規則を書けば実現できます。

 
(setq  mew-refile-guess-alist
  '(("From:"
      ("piglet@beech.tree.uk" . "+from/piglet")
      ("p-p-p@mew.org"        . "+from/piglet"))))

しかし、いちいち規則を書くのは面倒です。そこで、まず From: が piglet@beech.tree.uk であるメッセージを +from/piglet に整頓します。これ でフォルダ +from/piglet が作成されます。次に、From: が p-p-p@mew.org で あるメッセージを +from/piglet に整頓したとします。ここで Mew は、 p-p-p@mew.org が +from/piglet に整頓されたことを学習します。以後 From: が p-p-p@mew.org であるメッセージを整頓しようとすると、+from/piglet を 選択するようになります。

その他、機械からくるメッセージは、いつも +adm/misc に入れることにしたい 場合なども、明示的な規則を書かずに済ませられます。

From: とフォルダの情報は、"~/Mail/.mew-refile-from-alist" に保存されてい ます。この情報を過去何通のメッセージに関して保存するかは、 See section 6.3 対話関係から推測 と同様に `mew-lisp-max-length' で決定します。

この機能を提供する関数は `mew-refile-guess-by-from' です。

`mew-refile-guess-from-me-is-special'`t' の場合、 `mew-refile-guess-by-from'`mew-refile-guess-by-from-folder'(See section 6.4 個人用のフォルダから推測)と同様な動 きをします。


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6.6 Newsgroups: から推測

ネットニュースをメッセージで受けて Mew で読んでいる人のために、 Newsgroups: からフォルダを推測する機能を用意しました。将来 Mew がネット ニュースをサポートした場合にも有効でしょう。関数名は `mew-refile-guess-by-newsgroups' です。


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6.7 デフォルトの規則

デフォルトの規則は、From: からアドレス名を切り出して、 `+from/user@domain' を選ぶようになっています。ただし、 `mew-refile-guess-strip-domainpart'`t' ならユーザ名を切り 出すので、`+from/user' が選択されます。

関数名は、`mew-refile-guess-by-default' です。


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6.8 規則の制御

Mew では、フォルダ推測の規則を2つの変数、`mew-refile-guess-control'`mew-refile-ctrl-multi' で制御します。 `mew-refile-guess-control' は、呼び出す関数を順に定義します。候補を 複数にしたい場合は `mew-refile-ctrl-multi'`t' に、単数にし たい場合は `nil' に設定します。

標準では、`mew-refile-guess-control' は以下のように宣言されています (宣言なので `defvar' が使われています)。

 
(defvar mew-refile-guess-control
  '(mew-refile-guess-by-alist
    mew-refile-ctrl-throw
    mew-refile-guess-by-newsgroups
    mew-refile-guess-by-folder
    mew-refile-ctrl-throw
    mew-refile-ctrl-auto-boundary
    mew-refile-guess-by-thread
    mew-refile-ctrl-throw
    mew-refile-guess-by-from-folder
    mew-refile-ctrl-throw
    mew-refile-guess-by-from
    mew-refile-ctrl-throw
    mew-refile-guess-by-default))

Mew は `mew-refile-guess-control' に並べられた関数を順番にすべて実 行します。各々の関数が複数の候補を推測することがあります。

`mew-refile-guess-control' の動作例として以下を考えてみましょう。

`mew-refile-guess-by-alist'
が +aaa, +bbb を推測。
`mew-refile-guess-by-folder'
が +ccc, +ddd を推測。
`mew-refile-guess-by-default'
が +eee を推測。

+aaa 〜 +eee すべてをユーザに提示して欲しい場合は、 `mew-refile-ctrl-multi'`t' に, +aaa だけを提示して欲しい場 合は、`nil' に設定します。

また、+aaa 〜 +ddd は提示して欲しいけれどもそれ以降はいらない、つまり、 +eee を提示するのは先に実行された関数群が何も推測できなかったときだけに したい場合は、`mew-refile-ctrl-multi'`t' にして、 `mew-refile-guess-by-folder'`mew-refile-guess-by-default' の間に `mew-refile-ctrl-throw' を入れて下さい。

`C-uo' は、この推測の流れを Message バッファに表示します。


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6.9 自動で整理整頓

毎日メッセージをたくさんもらう人は、まだ整頓していないメッセージを +inbox フォルダに大量に溜めてしまうことがあります。そんなときは、「メッ セージ達よ、とにかく +inbox フォルダからどこかに行ってしまえ」と叫びたく なることがあるでしょう。Mew は、そんなわがままなを満足させるための自動整 理整頓関数を提供しています。:) `M-o' がその呪文です。

この関数を実行すると、現在のフォルダ内の特定のメッセージに対して、自動的 に `o' マークを付けてくれます。特定のメッセージとは、 `mew-refile-auto-refile-skip-any-mark'`nil'なら、`o'`D' マークが付いていないメッセージです。 `mew-refile-auto-refile-skip-any-mark'`t' なら、なにもマー クが付いてないメッセージです。 `mew-refile-auto-refile-skip-any-mark' のデフォルト値は `nil' です。

`C-uM-o' は、`mew-refile-auto-refile-skip-any-mark' の値とは関 係なく `*' マークの付いたメッセージを対象にします。

整頓先の決定には、先に説明した推測関数群が働くようになっています。この関 数は、`o' を付けるだけですので、`x' を押さない限り実際にメッセー ジがどこかに行ってしまうことはありません。

Mew の整頓先推測はあまりにも賢すぎるので、この機能には仇となってしまいす。 というのは、Mew が推測機能をフルに使って勝手に整頓してしまうと、大抵のユー ザはどこにメッセージが整頓されたか分からなくなってしまうのからです。:) そのために、Mew が使う推測関数を制限する機能が提供されています。前に出て きた宣言をもう一度思い出して下さい。

 
(defvar mew-refile-guess-control
  '(mew-refile-guess-by-alist
    mew-refile-ctrl-throw
    mew-refile-guess-by-newsgroups
    mew-refile-guess-by-folder
    mew-refile-ctrl-throw
    mew-refile-ctrl-auto-boundary
    mew-refile-guess-by-thread
    mew-refile-ctrl-throw
    mew-refile-guess-by-from-folder
    mew-refile-ctrl-throw
    mew-refile-guess-by-from
    mew-refile-ctrl-throw
    mew-refile-guess-by-default))

`mew-refile-guess-control' の中に `mew-refile-ctrl-auto-boundary' という関数があります。これがその仕 掛です。自動整理整頓のときに限り、Mew はこの関数より下に記述してある推測 を無視します。`mew-refile-ctrl-auto-boundary' より上に記述している 関数が何も推測できなかった場合は、そのメッセージには `o' が付きませ ん。破滅が訪れる前に `mew-refile-ctrl-auto-boundary' の御札を貼って 下さい。


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7. メッセージの選択

たとえば、Subject: に party という文字が含まれているメッセージを見つけ出 したり、From: が kazu@mew.org であるメッセージを選択したいと思うことが あります。このように、入力した条件にあるメッセージを見つけ出すコマンドを Mew は 2 つ提供しています。

`?'
入力した条件に合うメッセージに `*' マークを付ける。現在の Summary モードの一覧を利用する。`?' を押した後に、条件を入力して下さい。
`/'
複数のフォルダから入力した条件に合うメッセージを見つけ出して Virtual モー ドに一覧表示する。

これらのコマンドは、mewls を利用してメッセージを選択します。mewls が調べ るのはヘッダのみです。あるキーワードが本文に存在するメッセージを選びたい 場合は他の外部コマンド(デフォルトは "grep")を利用する必要があります。 `C-u?'`C-u/' を利用すると、mewls の代わりに、他の外部コマ ンドを呼び出します。

以下条件の入力方法と Virtual モードに付いて解説します。

7.1 条件の入力方法  
7.2 Virtual モード  


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7.1 条件の入力方法

Mew が条件の入力をユーザに促すときは以下のように訊いてきます。

 
Pick pattern: 

以下に示す式を組み合わせて条件を入力して下さい。(結合力の強い順に並んで います。)

`field=string'
フィールド field に文字列 string が含まれているときマッチ(大文字小文字を 区別しない)。field に "head" を指定した場合は、ヘッダ全体を意味する。
`field==string'
フィールド field に文字列 string が含まれているときマッチ(大文字小文字を 区別する)。field に "head" を指定した場合は、ヘッダ全体を意味する。
`field!=string'
フィールド field に文字列 string が含まれていないときマッチ(大文字小文字 を区別しない)。field に "head" を指定した場合は、ヘッダ全体を意味する。
`field!==string'
フィールド field に文字列 string が含まれていないときマッチ(大文字小文字 を区別する)。field に "head" を指定した場合は、ヘッダ全体を意味する。
`( <pattern> )'
<pattern> の内容を先に評価。
`! <pattern>'
<pattern> でないときマッチ。
`<pattern1> & <pattern2>'
<pattern1> かつ <pattern2> のときマッチ。
`<pattern1> | <pattern2>'
<pattern1> または <pattern2> のときマッチ。

以下に例を示します。

(a) From: に kazu か含まれるメッセージ

 
from=kazu

(b) To: が mew、または、Cc: が mew であるメッセージ

 
to=mew | cc=mew

(c) To: が mew、または、Cc: が mew で、かつ、from が kazu である メッセージ

 
(to=mew | cc=mew) & from=kazu

後は類推して下さい。

あるキーワードがヘッダと本文のどこかに含まれているメッセージを選択したい 場合は、`C-u?'`C-u/' を実行し、外部コマンドを起動します。 この場合、以下のように訊かれます。

 
Grep pattern: 

ここでは単純にキーワードを入力して下さい。(上記の式を入力するのではあり ません。) なお、検索したキーワード付近を表示するには、`M-n'`M-p' を使うと便利です(See section 5.4 復習 `*' を参照)。


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7.2 Virtual モード

Virtual モードは、複数のフォルダから入力した条件に合うメッセージを選びだ し、単一の仮想的なフォルダとして扱います。Summary モードで `/' を押 すと、Virtual モードが作れます。

最初に、仮想フォルダ名を訊かれます。

 
Virtual folder name (virtual) : 

任意の文字列を入力して下さい。単に `RET' を押すと、"++virtual" にな ります。次に、単数または複数のフォルダ名を入力します。複数のフォルダを入 力する場合は、"," で区切って下さい。もちろん、`TAB' で補完できます。

 
Folder name (+inbox) : +inbox, +mew

そして、条件を入力します。

 
Pick pattern: 

すると仮想フォルダができあがります。Summary モードで利用できるこまんどの 多くが、Virtual モードで利用できます。仮想フォルダはまさしく仮想であり、 ファイルシステムなどには存在しないことに注意して下さい。Emacs を終了する と、仮想フォルダはなくなります。

Virtual モードであるメッセージにマークを付けると、Summary モードの対応す るメッセージにもマークが付きます。逆に、Summary モードであるメッセージに マークを付けても、Virtual モードの対応するメッセージにはマークは付きませ ん。

Virtual モードからマークを処理することはできません。`x' を押しマー クを処理しようとすると、Summary モードに移動しろという促されます。また、 スレッドのための Virtual モードで `x' を押すと、対応する Summary モー ドに移動し、もう一度 `x' を押すよう促されます。


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8. 一休み

Mew を終了させたり、一時中断させたり、そのモード(正確にはバッファ)を消去 する方法を以下に示します。

<Summary モードと Virtual モード>

`q'
Mew を一時中断し、他のバッファに切り替えます。Mew 用のバッファはすべて残っ ていますから、バッファ操作で選べば再開できます。
`Q'
Mew を終了します。Mew が使ったすべてのバッファを消去します。
`C-cC-q'
そのモード(正確にはバッファ)を消去します。

<Draft モードと Header モード>

`C-cC-q'
その草稿を消去します。

<Addrbook モード>

`C-cC-q'
そのバッファを消去します。


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9. カスタマイズ

ここでは、Mew のデフォルトの動作を変更し、自分好みの Mew にする方法を説 明します。主に "~/.mew.el" で設定して下さい。

9.1 Summary mode  
9.2 Message mode  
9.3 Draft mode  
9.4 色付け  
9.5 フック  
9.6 メッセージの受信  
9.7 メッセージの送信  
9.8 送受信の動作変化  
9.9 その他  


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9.1 Summary mode

Summary モードの書式は、`mew-scan-form' で指定できます。以下にデフォ ルトの値を示します。

 
'(type (5 date) " " (14 from) " " (0 subj))

このように、`mew-scan-form' は、リスト、シンボル、文字列のリストで す。

  1. 文字列はそのまま出力される
  2. リストは、整数とシンボルから構成される。シンボルは、呼び出す関数を意味す る。関数名は、"mew-scan-form-" とシンボル名を連結することで作られる。(例: 'date というシンボルは、`mew-scan-form-date' という関数名になる) あ らかじめ定義されているシンボルには、'type、'time、'date、'year、'size、' from、'subj がある。詳細は、`mew-scan-form-<symbol>' という名を持つ 関数の説明を参照のこと。整数は、関数が返す文字列が埋めるフィールドの幅を 指定する。正の数は、左詰めを意味する。負の数は、右詰めを意味する。もし、 負の数を指定する場合、対応する関数はACII 文字列を返す必要がある。0 は、 行の残りを意味し、左詰めとなる。
  3. シンボルは、(1 シンボル) に等しい。
  4. もし、`mew-scan-form' の最初の要素が整数 N であれば、この整数は '((N num) mark) に変換される。そうでなければ、'((-5 num) mark) が、 `mew-scan-form' の前に付け加えられる。ユーザは、'num や 'mark とい うシンボルを `mew-scan-form' に使用してはならない。

例を以下に示します。

 
(setq mew-scan-form
      '(type (5 date) " " (-4 size) " " (14 from) " " (0 subj)))

`mew-scan-form-from-me-prefix' は、自分から送信されたメッセージの宛 先の先頭に加えられる文字列です。デフォルトは、"To:" です。

`mew-scan-form-extract-rule' は、From: フィールドからどの部分を切り 出すか指定するためのリストです。要素は、'name、'comment、'address、 'nickname、あるいは正規表現である必要があります。デフォルトは、 '(nickname) です。

次の例を考えて下さい。

 
A: Kazu Yamamoto <kazu@mew.org>
B: kazu@mew.org (Kazu Yamamoto)
C: Kazuhiko Yamamoto (Kazu) <kazu@mew.org>

それぞの要素は、以下のような意味を持ちます。

  1. 'name:: 名前の部分
     
    A. Kazu Yamamoto
    B. (No match)
    C. Kazuhiko Yamamoto (Kazu)
    
  2. 'comment:: コメントの部分
     
    A: (No match)
    B: Kazu Yamamoto
    C: (Kazu)
    
  3. 'address:: アドレスの部分
     
    A: kazu@mew.org
    B: kazu@mew.org
    C: kazu@mew.org
    
  4. 'nickname:: `mew-addrbook-for-summary' の値に応じたアドレス帳の個人 情報のある要素。`mew-addrbook-for-summary' のデフォルトは、 `'nickname' なので、通常はニックネームに変換される。何が指定できる かは、See section 9.3 Draft mode を参照のこと。
  5. (regex):: 最初に合致した文字列

ある要素が合致しない場合、次の要素が評価されます。どの要素も From: フィー ルドに合致しない場合か、この値が `nil' の場合、From: フィールド全体 が利用されます。

`mew-scan-form-mark-delete'`t' の場合、重複しているメッセー ジに自動的に `D' マークが付きます。デフォルトは、`nil' です。

`mew-scan-form-mark-review'`t' の場合、自分宛てのメッセー ジに自動的に `*' マークが付きます。デフォルトは、`nil' です。

`mew-scan-form' をカスタマイズすると、スレッドで段付けする位置がず れるかもしれません。その場合は、`mew-thread-column' に段付けの位置 を設定して下さい。

いつも Emacs のフレーム全体で Mew を使いたい人は、以下の設定をして下さい。

 
(setq mew-window-use-full t)

Summary モードの `SPC' は、`mew-summary-show-direction' によっ て、次のメッセージの表示の仕方が変わります。また同様に、強いマークを付け た後カーソルが動く方向は `mew-summary-mark-direction' により指定で きます。以下の値を設定できます。

`up'
上のメッセージを表示する。
`down'
下のメッセージを表示する。
`next'
読み進めている方向の次のメッセージを表示する。
`stop'
次は表示しない。

両方ともデフォルトは `next' です。いつもメッセージを下から読む人は、 以下のようにすればよいでしょう。

 
(setq mew-summary-show-direction 'up)


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9.2 Message mode

Emacs がサポートしてないデータ型のファイルは、Message モードに直接表示で きません。この場合、適切な外部アプリケーションがあれば、それを使って表示 可能です。Summary モードにおいて、パートの上で、`C-cC-e' と入力する と、Message モードに指示された外部アプリケーションを起動し、そのパートを 表示できます。

Message モードで指示されたものではなく、他の外部アプリケーションを指定し たい場合は、`C-cC-y' を使って下さい。また、データの型を指定し、その データ型に応じた外部アプリケーションを起動したい場合は、`C-uC-cC-e' を利用して下さい。

あるパートを生の書式で Message モードに表示するには、`C-cTAB' を使っ て下さい。(メール全体を生で表示するには、`,' を使います。)

単に Mew をインストールした状態では、Text/Html を表示するには "netscape" のような外部アプリケーションが必要です。この場合 Text/Html は、単にパー トとして、あるいはメッセージの本文として扱われ、外部アプリケーションを起 動させる説明が Message モードに表示されています。それぞれ、パート、およ びメッセージ上で、`C-cC-e' と入力すれば、外部アプリケーションに Text/Html を表示します。メッセージ上で `C-cC-e' と入力した場合は、 (ヘッダを除いて)本文のみが外部アプリケーションに渡されます。

利用する Text/Html 用の外部アプリケーションは、 `mew-prog-text/html-ext' に指定します。以下は、"mozilla" に設定して いる例です。(必要であれば、アプリケーションの引数を `mew-prog-text/html-ext-arg' に設定して下さい。)

 
(setq mew-prog-text/html-ext "mozilla")

国際化された "w3m" と "w3m.el" をインストールすると、Text/Html を Message モードに表示できるようになります。両者をインストールしたら、 "~/.mew.el" に以下の設定を加えて下さい。

 
(condition-case nil
    (require 'mew-w3m)
  (file-error nil))
(setq w3m-type 'w3m-m17n)

これで、あたかも Text/Plain であるかのように、Text/Html を Message モー ドに表示できるようになります。この際も、`C-cC-e' の操作は有効です。

最近、Multipart/Alternative の中に Text/Plain と Text/Html の両方が入っ ており、どちらかを選ぶようになっているメッセージを多く見掛けます。Mew は、 標準では Text/Plain の方を優先して表示します。"w3m.el" をインストールす れば、Text/Html の方を優先したくなるかもしれません。その場合、以下の設定 を "~/.mew.el" に加えて下さい。(ここで See section 3.2 MIME を表示する を読み、`:' の使い方も思い出しておきましょう。)

 
(setq mew-mime-multipart-alternative-list
      '("Text/Html" "Text/Plain" ".*"))

"wvHtml"、"xlHtml"、"pptHtml" というコマンドをインストールすれば、それぞ れ WORD、Excel、PowerPoint ファイルのテキスト部分を、Message モードに表 示可能です。これらのコマンドは、HTML を利用するので、上記の Text/Html の 設定を完了させて下さい。また、UTF-8 を利用しますので、Mule-UCS もインス トールして下さい。

これで、たとえば WORD ファイルをあたかもテキストのように、Message モード に表示可能になります。また、明示的に `C-cC-e' と入力しても、テキス トとして Message モードに表示します。


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9.3 Draft mode

自分へ Cc: したい人は `mew-cc'を設定して下さい。返答の際には、対象 のメッセージから、別途 Cc: が用意される場合があります。複数の Cc: がある 場合、送信時に 1 つにまとめられます。

バックアップのため、自分が送るメッセージを受け取りたいと考え、しかもヘッ ダに自分のアドレスを残したくないなら、Dcc: を使って下さい。 `mew-dcc' に自分のアドレスを設定しましょう。

いつも入れて欲しいヘッダは、`mew-header-alist' に連想リスト形式で定 義して下さい。以下に例を示します。

 
(setq mew-header-alist
      '(("X-fingerprint:" . "6B 63 38 88 67 5E 96 8E  CE A4 62 73 3F 11 64 94")
        ("X-URL:" . "http://www.Mew.org/~kazu/")))

引用ラベルは、引用するフィールドを `mew-cite-fields'、ラベルの書式 を `mew-cite-format' に定義します。引用記号は `mew-cite-prefix' に指定します。デフォルトは、以下のようになってい ます。

 
(defvar mew-cite-fields '("From:" "Subject:" "Date:"))
(defvar mew-cite-format "From: %s\nSubject: %s\nDate: %s\n\n")
(defvar mew-cite-prefix "> ")

引用ラベルに Message-ID: を加えるには以下のようにします。

 
(setq mew-cite-fields '("From:" "Subject:" "Date:" "Message-ID:"))
(setq mew-cite-format "From: %s\nSubject: %s\nDate: %s\nMessage-ID: %s\n\n")

引用記号にアドレスのユーザ部分が付くようにするには以下のようにします。

 
(setq mew-cite-prefix-function (function mew-cite-prefix-username))

これで引用記号は以下のようになります。

 
From: SUMIKAWA Munechika <sumikawa@ebina.hitachi.co.jp>
Subject: Wine
Date: Wed, 23 Jul 1997 11:40:50 +0900

sumikawa> おはようからおやすみまでニートでおなじみの角川です。
sumikawa> 
sumikawa> さて、とろけるワイン作戦ですが、定石通り '89 のボルドーの
sumikawa> カベルネ・ソービニョンを狙いたいと思います。ピノノアール
sumikawa> がちょっぴりブレンドしてあるといいかも。

引用ラベルの From: の部分と、引用記号は、アドレス帳の個人情報の要素に変 換できます。それぞれ、`mew-addrbook-for-cite-prefix'`mew-addrbook-for-cite-label' で指定できます。デフォルトの値は、そ れぞれ `nil'`'username' です。以下のような値が設定できます。

'shortname
短縮名
'address
アドレス
'username
アドレスのユーザ部分
'nickname
ニックネーム
'name
正式な氏名

例として以下のような設定を考えてみましょう。

 
(setq mew-addrbook-for-cite-label 'nickname)
(setq mew-addrbook-for-cite-prefix 'nickname)

最初の設定でラベルの中のアドレスがニックネームに変わります。また、次の設 定で引用記号もニックネームに置き換わります。

 
From: すみっち
Subject: Wine
Date: Wed, 23 Jul 1997 11:40:50 +0900

すみっち> おはようからおやすみまでニートでおなじみの角川です。
すみっち> 
すみっち> さて、とろけるワイン作戦ですが、定石通り '89 のボルドーの
すみっち> カベルネ・ソービニョンを狙いたいと思います。ピノノアール
すみっち> がちょっぴりブレンドしてあるといいかも。


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9.4 色付け

`mew-use-highlight-mark'`t' の場合、マークの付いたメッセー ジに色が付きます。デフォルトは `t' です。

`mew-use-highlight-header'`t' の場合、メッセージのヘッダに 色が付きます。デフォルトは `t' です。

`mew-use-highlight-body'`t' の場合、メッセージの本文に色が 付きます。デフォルトは `t' です。色を付ける上限は、 `mew-highlight-body-max-size' で指定できます。デフォルトは 10000 バ イトです。

`mew-use-highlight-url'`t' の場合、メッセージ中の URL に仕 掛けが施されて、マウスを持っていくと光るようになります。デフォルトは `t' です。

`mew-use-cursor-mark'`t' の場合、Summary モードにおいて、 現在表示しているメッセージの行頭に、`mew-cursor-mark' で指定された 目印が付きます。デフォルトは `nil' です。`mew-cursor-mark' の デフォルトは ">" です。

`mew-use-highlight-cursor-line'`t' の場合、Summary モード でカーソルのある行に下線が引かれます。デフォルトは `t' です。

グラフィカル Emacs では `mew-use-highlight-mouse-line'`t' の場合、Summary モードでマウスのある行に色がつきます。真中のボタンをクリッ クしながら、マウスだけでメッセージを読む際にはとても便利です。デフォルト の値は、`nil' になっています。

`mew-use-highlight-x-face'`t' で、かつグラフィカル Emacs を使っている場合、ヘッダ中の X-Face: が Message モードでアイコン化されま す。グラフィカル Emacs でのデフォルトは `t' です。


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9.5 フック

Mew で用意されているフックをまとめます。

`mew-env-hook'
Mew の起動時の環境が設定される前に評価される。
`mew-init-hook'
Mew の起動時に評価される。
`mew-summary-mode-hook'
Summary モードに入るときに評価される。
`mew-virtual-mode-hook'
Virtual モードに入るときに評価される。
`mew-thread-display-hook'
スレッドが表示された後に評価される。
`mew-header-mode-hook'
Header モードに入るときに評価される。
`mew-draft-mode-hook'
Draft モードに入るときに評価される。
`mew-draft-mode-newdraft-hook'
Draft モードにおいて新しい草稿が用意された際に評価される。
`mew-draft-mode-reedit-hook'
Draft モードにおいて +draft でないフォルダにある古い草稿を再編集した際に 評価される。
`mew-draft-mode-reedit-draft-hook'
Draft モードにおいて +draft でないフォルダにある古い草稿を再編集した際に 評価される。
`mew-draft-mode-edit-again-hook'
Draft モードにおいて古い形式のリターンメッセージを再編集した際に評価され る。
`mew-message-mode-hook'
Message モードに入るときに評価される。
`mew-message-hook'
メッセージが Message モードで表示される度に評価される。
`mew-make-message-hook'
Draft モードで MIME メッセージを作る前、つまり `C-cC-m' の際の最初に評価される。 例:(add-hook 'mew-make-message-hook 'ispell-message)
`mew-send-hook'
メッセージを送信する前に評価される。現在では無意味であり、互換性のために 残してある。
`mew-real-send-hook'
メッセージを送信する前に評価される。
`mew-smtp-sentinel-hook'
SMTP が終了する際に評価される。
`mew-suspend-hook'
Mew を一時中断した際に評価される。
`mew-quit-hook'
Mew の終了時に評価される。
`mew-pop-sentinel-hook'
POP が終了する際に評価される。
`mew-pop-sentinel-non-biff-hook'
Biff ではない POP が終了する際に評価される。
`mew-scan-sentinel-hook'
Summary モードの `s' が終了する際に評価される。
`mew-summary-ls-no-scan-hook'
Summary モードの `s' がフォルダの一覧を取らなかった場合に評価される。
`mew-summary-exec-hook'
Summary モードの `x' の実行が終了する際に評価される。
`mew-summary-toggle-disp-msg-hook'
Summary モードの `v' の実行が終了する際に評価される。
`mew-syntax-format-hook'
マルチパートの書式を作成する関数 `mew-syntax-format' が呼ばれた際に 評価される。
`mew-addrbook-mode-hook'
アドレス帳の登録モードに入るときに評価される。
`mew-cite-hook'
Draft モードで引用する際に呼ばれる。通常 supercite を設定するために使う。
`mew-before-cite-hook'
Draft モードでメッセージを引用する直前に呼ばれる。

以下にフックの設定例を示します。

Draft モードでは、フックを `text-mode-hook'`mew-draft-mode-hook' の順で評価します。`text-mode-hook'`auto-fill-mode' を設定していない人は、 `mew-draft-mode-hook' を以下のように設定するのがよいかもしれません。

 
(setq mew-draft-mode-hook (function (lambda () (auto-fill-mode 1))))


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9.6 メッセージの受信

Mew では、メッセージを受信する際に POP を利用します。ここでは、POP を制 御するための以下の変数についてまとめます。

`mew-pop-delete'
POP サーバからメッセージを取得後、POP サーバにあるメッセージを削除するか 否か。デフォルトは `t'
`mew-pop-size'
POP サーバから取得するメッセージの大きさの上限。デフォルトは、55296 バイト。 0 に設定すると、上限なしの意味になり、すべてのメッセージを取得する。
`mew-pop-body-lines'
大きさの上限にひっかかったメッセージの本文を何行取得するかという値。デフォ ルトは40。
`mew-pop-server'
POP サーバの名前。
`mew-pop-ssh-server'
POP を SSH 経由で取得する場合の SSH サーバの名前。
`mew-pop-user'
POP のアカウント名。デフォルトはログイン名。
`mew-pop-auth'
POP の認証方式。`'apop' は APOP、`'pass' は USER/PASS (生パス ワード)、`t' は SASL に基づいた POP AUTH を意味する。デフォルトは `nil'
`mew-pop-auth-list'
POP AUTH で利用する認証方式のリスト。優先順位の高い順に並べる。デフォル トは、'("CRAM-MD5" "PLAIN" "LOGIN")。
`mew-use-biff'
POP を利用した Biff を利用するか否か。デフォルトは `nil'`mew-use-cached-passwd'`t' に設定しておく必要がある。ロー カルのメールボックスに対する Biff は `display-time-mode' を利用する こと。
`mew-use-biff-bell'
POP サーバにメッセージがない状態からある状態に移った際に、ベルを鳴すか否 か。デフォルトは `nil'
`mew-pop-biff-interval'
Biff のために POP サーバに問い合わせる間隔。単位は分。デフォルトは 5。


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9.7 メッセージの送信

Mew では、メッセージを送信する際に SMTP を利用します。ここでは、SMTP を 制御するための以下の変数についてまとめます。

`mew-smtp-server'
SMTP サーバの名前。
`mew-smtp-ssh-server'
SSH 経由でメッセージを送る際の SSH サーバの名前。
`mew-smtp-auth'
SMTP AUTH を使うか否か。デフォルトは `nil'
`mew-smtp-auth-list'
SMTP AUTH で利用する認証方式のリスト。優先順位の高い順に並べる。デフォル トは、'("CRAM-MD5" "PLAIN" "LOGIN")。
`mew-smtp-user'
SMTP AUTH で利用されるアカウント名。デフォルトはログイン名。
`mew-smtp-helo-domain'
SMTP HELO コマンドで使われるサーバ名。デフォルトは "localhost"。
`mew-smtp-mail-from'
SMTP MAIL FROM コマンドで指定されるアドレス。`nil' の場合は、From: フィールドのアドレスが指定される。デフォルトは `nil'
`mew-smtp-msgid-user'
Message-Id: を作成するためのユーザ名。`nil' であれば `mew-user' の値が利用される。デフォルトは `nil'。 Message-Id: の書式は以下を参照。
`mew-smtp-msgid-domain'
Message-Id: を作成するためのドメイン名。`nil' であれば `mew-mail-domain' の値が利用される。デフォルトは `nil'。 Message-Id: の書式は以下を参照。
`mew-use-8bit'
8 ビットテキストを符号化せずにそのまま送るか否か。`nil'の場合は、適 切な MIME 符号化が施される。デフォルトは `nil'

 
message-id = *random*.user@smtp-msgid-domain


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9.8 送受信の動作変化

`mew-config-alist' を使うと、メッセージの送受信に関する動作に変化を つけられます。以下の設定例を使って説明します。

 
(setq mew-config-alist
      '(("home"
         ("inbox-folder"   . "+inbox-home")
         ("pop-server"     . "pop.iij4u.or.jp"))
        ("ext"
         ("pop-ssh-server" . "ssh.mew.org"))
        ("default"
         ("pop-server"     . "pop.mew.org"))))

この例では、"home"、"ext"、"default" という 3 つのケースを定めています。 それぞれのケースに対して、いくつかのキーと値の対が設定されています。

この例を使って、`mew-config-alist'の意味を説明します。ケースを "home" にして "pop-server" を索くと、"pop.iij4u.or.jp" が得られます。ケー スを "ext" にして "pop-server" を索くと、"ext" には該当するキーがないの で、"default" を見て、"pop.mew.org" が得られます。ケースを "default" に して "pop-server" を索くと、"pop.mew.org" が得られます。

ケースを "home" にして "inbox-folder" を索くと、"+inbox-home" が得られま す。ケースを "ext" にして "inbox-folder" を索くと、"ext" には該当するキー がなく、さらに "default" にもないので、`mew-inbox-folder' という変 数の値が得られます。ケースを "default" にして "inbox-folder" を索いた場 合も、`mew-inbox-folder' の値が得られます。

`mew-config-alist' で設定できるキーのほとんどは、`mew-"キー"' という変数に対応しています。以下に設定できる項目を列挙します。

 
"name", "user", "mail-domain", 
"smtp-msgid-domain", "smtp-msgid-user", "cc", "fcc", "dcc", "reply-to",
"organization", "header-alist", "smtp-server", "smtp-port",
"smtp-ssh-server", "smtp-helo-domain", "smtp-mail-from", "smtp-user",
"smtp-auth", "smtp-auth-list", "pop-server", "pop-port",
"pop-ssh-server", "pop-user", "pop-auth", "pop-size", "pop-body-lines",
"pop-delete", "mailbox-type", "mbox-command", "mbox-command-arg",
"inbox-folder", "queue-folder", "nntp-server", "signature-file",
"content-type"

"name"、"user"、"mail-domain" は以下の規則にしたがって、From: の値にな ります。

 
from = name <user@mail-domain>

自分で `mew-from-list' を設定していない場合は、上記のルールに従い各 ケースの from を集めて、`mew-from-list' が自動的に設定されます。 See section 4.2 ヘッダの循環的な補完を参照のこと。

`mew-config-alist' に設定したケースを、受信ケースと送信ケースに指定 できます。Mew の起動時は、受信ケースと送信ケース、ともに "default" になっ ています。

Summary モードにおいて、受信ケースと送信ケースを変更するには `C' を 利用します。補完を用いてケースを入力できます。

`mew-case-synchronize' という変数を `nil' に設定すると、受信 ケースと送信ケースを独立に設定できるようになります。この場合、`C' が受信ケース用で、`C-uC' が送信ケース用です。

いずれか一方、あるいは両方のケースが "default" 以外の値をとった場合は、 Summary モードのモードラインに表示されます。以下は受信ケース、送信ケース がそれぞれ、"home"、"ext" となっている場合の例です。

 
(Summary home:ext)

Draft モードでは、送信ケース "default" でない場合、モードラインにその値 が表示されます。以下は、送信ケースが "home" である場合の例です。

 
(Draft home)

Draft モードにおいて、その草稿の送信ケースを変更するには、`C-cC-o' を用います。"mail-domain" キーや "header-alist" キーに対応する値に応じて、 ヘッダが動的に変更されます。なお、この送信ケースは、その Draft モードに 固有になります。

Draft モードでは、送信ケースを自動的に設定することもできます。

`mew-case-guess-when-prepared'
この変数が `t' の場合、草稿が用意されたときに、 `mew-case-guess-alist' に従って送信ケースが設定される。デフォルトは `t'
`mew-case-guess-when-composed'
この変数が `t' の場合、メッセージが作成されたときに、 `mew-case-guess-alist' に従って送信ケースが設定される。デフォルトは `nil'
`mew-case-guess-when-replied'
この変数が `t' の場合、返答によって草稿が用意されたときに、 `mew-case-guess-when-replied-alist' に従って送信ケースが設定される。 デフォルトは `t'

`mew-case-guess-alist'`mew-case-guess-when-replied-alist' の書式は、`mew-refile-guess-alist' と同じです。詳しくは、 See section 6.2 指定した規則から推測 を参照して下さい。

以下にケースに関するコマンドをまとめます。

`C'
Summary モードにおいて、ケースを設定する。`mew-case-synchronize' の 値が `t' (デフォルト)なら、送信ケースと受信ケースを設定する。 `nil'なら、受信ケースのみを設定する。
`C-uC'
Summary モードにおいて、ケースを設定する。`mew-case-synchronize' の値が `t' なら、送信ケースと受信ケースを設定する。`nil'なら、 送信ケースのみを設定する。
`C-cC-o'
Draft モードにおいて、その草稿の送信ケースを設定する。


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9.9 その他

環境によっては、添付ファイルをセーブする際に、ファイル名を SAMBA 形式に すると便利なことがあります。この場合、`mew-use-samba-encoding'`t' にして下さい。ファイル名として、どの文字コードを利用するかは、 `mew-cs-samba' で指定できます。デフォルトは、`shift_jis' です。


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10. メッセージの作法

メッセージをやりとりする際には、最低限のマナーがあります。マナーを守って いないメッセージは読みにくいため、大変損します。簡潔かつ適切な文章を書き、 なるべく相手に理解してもらえるよう努力しましょう。

メッセージを書く際に気を付けるべき項目を以下に示します。

To: と Cc: を正しく書く
To: が目的の人で、Cc: は参考までに送り付ける人です。自分のアドレスが Cc: の場合は、読み飛ばす人がいますから注意して下さい。また、不必要なアドレス を To: や Cc: に書いて、相手に迷惑をかけてしまうことがないようにしましょ う。

To: と Cc: に書くアドレスの数は少なくする
アドレスをたくさん To: や Cc: に書くのはよくないことです。面倒でもメーリ ングリストを作りましょう。あるいは、必要に応じて宛先を匿名にしましょう (See section 4.14 宛先を匿名にしたメッセージの送信)。

Subject: には本文の内容を的確に短く書く
Subject: を見て読むか決める人がいますから、不適切な Subject: だと読んで もらえないかもしれません。長い Subject: は読みにくいので止めましょう。

改行は行末を、空行は改段落を表す。1行は半角70文字程度にとどめる
意味もなく1行おきに書いたり、なん行にも渡って改行しないのは読みづらいで す。とくに行が長いと引用するのに困ります。また、行頭にいくつかの空白文字 を入れて右によせて書く人がいますが、これも無意味です。テキストの表示は、 使っているコンピュータでまちまちですから、結局自分のコンピュータでみため がよくても、他人のコンピュータでそうであるとは限らないのです。

必要な部分だけを引用する
面倒でも不要な部分は削りましょう。Mew を使っていれば、引用は楽勝のはずで す。

シグニチャは簡素にする
長いシグニチャは単なる自己満足です。

いたずらメッセージを送らない
こんなことは注意したくありませんが、それでも不幸のメッセージなどを送って くる人がいます。人格を疑われることを理解すべきです。

相手の読めるデータのみを添付する
なんの合意もなしに送ってよいデータはテキストのみです。それ以外のデータを 送る場合は、あらかじめ相手に送ってよいか確認をとりましょう。メーリングリ ストには、テキストのみを投稿するのが無難でしょう。

また、インターネットのマナーは RFC1855 を読むといいでしょう。著者は、正 確な文章の書き方について学生のためにまとめた入門書を WWW で公開していま す。興味があれば、以下の URL にアクセスして下さい。

 
http://www.Mew.org/~kazu/doc/japanese.html


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11. 実装について

"mewls" と "mewencode" が必要なのはなぜ?
Mew では、Summary mode でメッセージを取得している間や、一覧を再表示して いる間に、メッセージを読み進めることができます。これは、プログラムの制御 の流れが複数必要であることを意味しています。Emacs で制御の流れを複数にす るには、サブプロセスを作るか、TCP コネクションを張るしか方法がありません (Emacs Lisp には light weight process がありません)。POP や SMTP には、 TCP コネクションを使うので問題ありません。しかし、Summary mode の一覧を 再表示するためには、何かコマンドを起動しないといけません。これが、 "mewls" が存在する理由です。"mewencode" が存在する理由は、単に速度のため です。MIME の符号化を Emacs Lisp で実装したところ、使い物にならないぐら い遅かったので、"mewencode" を使い続けています。(ただし、Base64 が Emacs で実装されていれば、そちらを使います。)

Summary mode に本文の先頭を表示できないのはなぜ?
"mewls" は、メッセージのヘッダを解析するコマンドです。しかし、MIME のマ ルチパートの処理はやりません。同じコードが、Emacs Lisp と C 言語のコマン ドの両方にあると保守できなくなるからです。ですから、たとえば、マルチパー トの第1パートであるテキストの数行を取り出し、しかも、その文字コードをMew に教えるということができません。これが、Summary mode に本文の先頭を表示 できない理由です。妥協案として、本文がテキストのみからなるメッセージの場 合のみ、本文の一部を Summary mode へ表示するという方法が検討されています。

ときどき、"The format of this scan cache is old" と言われるのはなぜ?
Mew 2 では、スレッドを実現するために、Summary mode の右端には、そのメッ セージの Message-Id: と親の Message-Id: を格納しています。これを「スレッ ド情報」と呼びましょう。スレッド情報のため、Mew 2 の Summary モードの書 式は、Mew 1.94.2 のそれとは異なります。そこで、一回だけメッセージの一覧 を作成し直す必要があります。

文字列検索(`C-s'`C-r')すると、行末にカーソルが飛ぶのはなぜ?
Summary mode において、スレッド情報は表示されません。これは、Summary mode で表示されている行に関しては、表示する瞬間にスレッド情報に非表示 の属性を付けるからです。非表示の属性がついている部分は文字列検索の対象 にはなりません。しかし、Summary mode に表示されていない行のスレッド情 報は、非表示の属性がついていないため、検索の対象となります。そして、合 致した行が表示される際に非表示の属性がついて、あたかも行末に合致したか のような錯覚を受けます。Summary mode 全体の行のスレッド情報には、キー の入力がない時間に非表示の属性が付きます。全体に非表示の属性が付くと、 Summary mode のモードラインの右端にある `*' マークが消えます。こ の状態では、文字列検索が直感通りに働きます。

Summary mode のマークが保存されないことがあるのはなぜ?
複数 Emacs を起動し、複数の Mew が同時に動いても問題がないように、Mew は 設計されています。複数の Mew が同時に動くと、Summary mode のキャッシュファ イルが競合対象となります。Mew は、Summary mode に読み込んでいるキャッシュ ファイルが更新されていると、それを読み込みます。これはすなわち、ファイル の更新を最小限に押さえないと、キャッシュファイルの読み込みが多くなり、使 い物にならないことを意味しています。そこで、ユーザがマークを付けたときは、 Mew はそのマークをキャッシュファイルに書き出しません。キャッシュファイル を更新するタイミングは、メッセージが増えたり(`i'`s' + "update")減ったり(`x') したときや、強制的に一覧を再表示(`s' + "all")した際です。`x' を押すと、必ずファイルに書き出す方法も検討さ れています。


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12. 入手方法とメーリングリスト

ここでは、Mew の入手方法とメーリングリストについて触れます。

12.1 Mew の入手方法  
12.2 メーリングリスト  


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12.1 Mew の入手方法

Mewの最新バージョンは以下から入手できます。

 
ftp://ftp.Mew.org/pub/Mew/mew-current.tar.gz

ときどきサンプルメッセージが以下のように提供されます。

 
ftp://ftp.Mew.org/pub/Mew/samples.tar.gz


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12.2 メーリングリスト

新しいバージョンは、

 
mew-release@Mew.org

で英語でアナウンスしています。入りたい人は

 
mew-release-subscribe@Mew.org

宛にメッセージを送って下さい。mew-release には著者以外が投稿できないよう に制限が加えられています。

Mew の質問や議論などは、

 
mew-dist@Mew.org

に日本語で投稿できます。mew-dist へ入りたい人は

 
mew-dist-subscribe@Mew.org

へメッセージを送って下さい。

Mew の質問は、著者個人宛ではなく、できるだけ mew-dist へお願いします。著 者には受け取ったすべての質問に答えている時間はありません。mew-dist へ質 問すると、他の人が答えてくれることを期待できます。

メーリングリストへ入る方法の詳細は、以下を参照して下さい。

 
http://www.Mew.org/ML/


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13. 著作権について

Mew は以下の著作権に従います。

Copyright (C) 1994-2001 Mew developing team.
All rights reserved.

変更の有無にかかわらず、ソースおよびバイナリ形式の再配布および利用は、以 下の条件を満たしていれば、これを許可する。

  1. ソース・コードの再配布は、上記の著作権表示、この条件項目、および、以下の 免責事項を保存しなければならない。
  2. バイナリ形式の再配布は、上記の著作権表示、この条件項目、および、以下の免 責事項を、その配布に付随する説明書、あるいはその他の資料のいずれかに明記 しなければならない。
  3. 前もって特別に許諾を得ない限り、このソフトウェアから派生した製品の推奨や 販売促進のために、このチーム名と貢献者達の名前を利用してはならない。

このソフトウェアは「このままの形で」提供され、明示的あるいは言外の保証 は、商用利用および特定目的への適合に対する言外の保証も含み、またこれら だけに限らず、存在しない。たとえ以下のような損害の可能性を示唆されてい たとしても、どのような形にしろこのソフトウェアの利用から発生した問題に おいて、このチームと貢献者達は、(代替製品やサービスの調達; 利用権、デー タ、あるいは利益の損失; あるいは営業の中断を含む、またこれらだけに限ら ず)直接的に、間接的に、偶然に、特別に、懲罰上、あるいは、必然的に生じ てしまった損害に対し責任はなく、いかなる責任理論上でも契約の有無に係わ らず厳密な責任はなく、また(過失あるいはその他を含む)不法行為に対しても 責任はない。

CD ROM に入れて配布したいという方は、できるだけ教えて下さい。教えてくれ なくても怒りませんが、教えて頂けるとありがたいです。配布を断ったことは ありません。

この Info の著作権は、著者に属します。配布、利用共に自由ですが、無保証で す。また、この Info から発生した被害に対し、著者は一切責任を負いません。


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14. 変数索引

Jump to:   M  

Index Entry Section

M
mail-user-agent2. さぁ始めよう!
mail-user-agent4. メッセージを作成する
mew-addrbook-for-cite-label9.3 Draft mode
mew-addrbook-for-cite-prefix9.3 Draft mode
mew-addrbook-mode-hook9.5 フック
mew-addrbook-override-by-newone4.3 アドレス帳
mew-auto-get2. さぁ始めよう!
mew-before-cite-hook9.5 フック
mew-case-guess-alist9.8 送受信の動作変化
mew-case-guess-when-composed9.8 送受信の動作変化
mew-case-guess-when-prepared9.8 送受信の動作変化
mew-case-guess-when-replied9.8 送受信の動作変化
mew-case-guess-when-replied-alist9.8 送受信の動作変化
mew-case-synchronize9.8 送受信の動作変化
mew-cc9.3 Draft mode
mew-cite-fields9.3 Draft mode
mew-cite-format9.3 Draft mode
mew-cite-hook9.5 フック
mew-cite-prefix9.3 Draft mode
mew-cite-prefix-function9.3 Draft mode
mew-config-alist9.8 送受信の動作変化
mew-cs-samba9.9 その他
mew-cursor-mark9.4 色付け
mew-dcc9.3 Draft mode
mew-decode-broken3.2 MIME を表示する
mew-decode-quoted3.9 規格違反のメッセージ
mew-draft-mode-edit-again-hook9.5 フック
mew-draft-mode-hook9.5 フック
mew-draft-mode-newdraft-hook9.5 フック
mew-draft-mode-reedit-draft-hook9.5 フック
mew-draft-mode-reedit-hook9.5 フック
mew-end-of-message-string3.2 MIME を表示する
mew-end-of-part-string3.2 MIME を表示する
mew-env-hook9.5 フック
mew-field-circular-completion-switch4.2 ヘッダの循環的な補完
mew-field-completion-switch4.1 ヘッダの補完
mew-field-delete-for-forwarding4.9 メッセージの転送
mew-fields4.1 ヘッダの補完
mew-file-max-size3.2 MIME を表示する
mew-from9.3 Draft mode
mew-from-list4.2 ヘッダの循環的な補完
mew-fromme-cc-list4.8 メッセージへの返答と宛先の決定
mew-fromme-to-list4.8 メッセージへの返答と宛先の決定
mew-header-alist9.3 Draft mode
mew-header-max-length3.2 MIME を表示する
mew-header-mode-hook9.5 フック
mew-highlight-body-max-size9.4 色付け
mew-icon-directory2. さぁ始めよう!
mew-init-hook9.5 フック
mew-lisp-max-length4.3 アドレス帳
mew-lisp-max-length6.3 対話関係から推測
mew-lisp-max-length6.5 From: から推測
mew-mail-address-list4.8 メッセージへの返答と宛先の決定
mew-mail-domain-list2. さぁ始めよう!
mew-mail-domain-list4.2 ヘッダの循環的な補完
mew-mailbox-type2. さぁ始めよう!
mew-make-message-hook9.5 フック
mew-mbox-command2. さぁ始めよう!
mew-mbox-command-arg2. さぁ始めよう!
mew-message-hook9.5 フック
mew-message-mode-hook9.5 フック
mew-mime-multipart-alternative-list9.2 Message mode
mew-msg-rm-folder-list5.1 消去 `D'`X'
mew-msg-rm-policy5.1 消去 `D'`X'
mew-noreplyto-cc-list4.8 メッセージへの返答と宛先の決定
mew-noreplyto-to-list4.8 メッセージへの返答と宛先の決定
mew-pop-auth9.6 メッセージの受信
mew-pop-auth-list9.6 メッセージの受信
mew-pop-biff-interval9.6 メッセージの受信
mew-pop-body-lines9.6 メッセージの受信
mew-pop-delete9.6 メッセージの受信
mew-pop-sentinel-hook9.5 フック
mew-pop-sentinel-non-biff-hook9.5 フック
mew-pop-server9.6 メッセージの受信
mew-pop-size9.6 メッセージの受信
mew-pop-ssh-server9.6 メッセージの受信
mew-pop-user9.6 メッセージの受信
mew-prog-gpg3.3 PGP/MIME を表示する
mew-prog-pgp3.3 PGP/MIME を表示する
mew-prog-pgp23.3 PGP/MIME を表示する
mew-prog-pgp53.3 PGP/MIME を表示する
mew-prog-text/html-ext9.2 Message mode
mew-prog-text/html-ext-arg9.2 Message mode
mew-quit-hook9.5 フック
mew-real-send-hook9.5 フック
mew-refile-auto-refile-skip-any-mark6.9 自動で整理整頓
mew-refile-ctrl-multi6.8 規則の制御
mew-refile-guess-alist6.2 指定した規則から推測
mew-refile-guess-control6.8 規則の制御
mew-refile-guess-from-me-is-special6.4 個人用のフォルダから推測
mew-refile-guess-from-me-is-special6.5 From: から推測
mew-refile-guess-strip-domainpart6.7 デフォルトの規則
mew-replyto-cc-list4.8 メッセージへの返答と宛先の決定
mew-replyto-to-list4.8 メッセージへの返答と宛先の決定
mew-scan-form9.1 Summary mode
mew-scan-form-extract-rule9.1 Summary mode
mew-scan-form-from-me-prefix9.1 Summary mode
mew-scan-form-mark-delete9.1 Summary mode
mew-scan-form-mark-review9.1 Summary mode
mew-scan-sentinel-hook9.5 フック
mew-send-hook9.5 フック
mew-signature-as-lastpart4.5 シグニチャと引用
mew-signature-file4.5 シグニチャと引用
mew-signature-insert-last4.5 シグニチャと引用
mew-smtp-auth9.7 メッセージの送信
mew-smtp-auth-list9.7 メッセージの送信
mew-smtp-flush-hook9.5 フック
mew-smtp-helo-domain9.7 メッセージの送信
mew-smtp-mail-from9.7 メッセージの送信
mew-smtp-msgid-domain9.7 メッセージの送信
mew-smtp-msgid-user9.7 メッセージの送信
mew-smtp-sentinel-hook9.5 フック
mew-smtp-server9.7 メッセージの送信
mew-smtp-ssh-server9.7 メッセージの送信
mew-smtp-user9.7 メッセージの送信
mew-sort-default-key3.8 メッセージのソート
mew-sort-default-key-alist3.8 メッセージのソート
mew-sort-key-alist3.8 メッセージのソート
mew-summary-exec-hook9.5 フック
mew-summary-ls-no-scan-hook9.5 フック
mew-summary-mark-direction9.1 Summary mode
mew-summary-mode-hook9.5 フック
mew-summary-show-direction9.1 Summary mode
mew-summary-toggle-disp-msg-hook9.5 フック
mew-suspend-hook9.5 フック
mew-syntax-format-hook9.5 フック
mew-thread-column9.1 Summary mode
mew-thread-display-hook9.5 フック
mew-use-8bit9.7 メッセージの送信
mew-use-alternative3.2 MIME を表示する
mew-use-biff9.6 メッセージの受信
mew-use-biff-bell9.6 メッセージの受信
mew-use-cached-passwd3.3 PGP/MIME を表示する
mew-use-cached-passwd3.4 メッセージの取得とフォルダ移動
mew-use-cursor-mark9.4 色付け
mew-use-fancy-thread3.7 スレッド
mew-use-highlight-body9.4 色付け
mew-use-highlight-cursor-line9.4 色付け
mew-use-highlight-header9.4 色付け
mew-use-highlight-mark9.4 色付け
mew-use-highlight-mouse-line9.4 色付け
mew-use-highlight-url9.4 色付け
mew-use-highlight-x-face9.4 色付け
mew-use-samba-encoding9.9 その他
mew-use-text-body3.2 MIME を表示する
mew-use-thread-separator3.7 スレッド
mew-virtual-mode-hook9.5 フック
mew-window-use-full9.1 Summary mode
mew-x-pgp-key-list3.3 PGP/MIME を表示する

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15. キー索引

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Index Entry Section

#
# (Summary)3.6 便利な機能

&
& (Virtual)3.7 スレッド

(
( (Virtual)3.7 スレッド

)
) (Virtual)3.7 スレッド

*
* (Summary)5.4 復習 `*'

,
, (Summary)3.2 MIME を表示する

-
- (Summary)3.1 読み方の基礎

.
. (Summary)3.2 MIME を表示する

/
/ (Summary)7. メッセージの選択
/ (Summary)7.1 条件の入力方法
/ (Summary)7.2 Virtual モード

:
: (Summary)3.2 MIME を表示する

?
? (Summary)7. メッセージの選択
? (Summary)7.1 条件の入力方法

@
@ (Summary)5.3 一括 `@'

^
^ (Virtual)3.7 スレッド

|
| (Summary)3.6 便利な機能

A
a (Attach)4.6 マルチパートの作成
a (Summary)3.5 送信、返答、転送
A (Summary)3.5 送信、返答、転送
A (Summary)4. メッセージを作成する
a (Summary)4. メッセージを作成する
A (Summary)4.8 メッセージへの返答と宛先の決定
a (Summary)4.8 メッセージへの返答と宛先の決定

B
B (Attach)4.12 マークを使った PGP/MIME の作成
B (Summary)3.6 便利な機能

C
c (Attach)4.6 マルチパートの作成
C (Attach)4.6 マルチパートの作成
C (Attach)4.7 文字コードの決定
C (Summary)3.6 便利な機能
C-b (Attach)4.6 マルチパートの作成
C-cC-a (Draft)4.6 マルチパートの作成
C-cC-a (Summary)3.6 便利な機能
C-cC-a (Summary)4.3 アドレス帳
C-cC-b (Draft)4.11 PGP を利用する
C-cC-c (Addrbook)4.3 アドレス帳
C-cC-c (Draft)4.4 メッセージの送信
C-cC-c (Header)4.10 メッセージの再送
C-cC-c (Summary)4.4 メッセージの送信
C-cC-e (Draft)4.11 PGP を利用する
C-cC-e (Summary)9.2 Message mode
C-cC-f (Summary)3.3 PGP/MIME を表示する
C-cC-l (Draft)4.5 シグニチャと引用
C-cC-l (Summary)3.9 規格違反のメッセージ
C-cC-m (Draft)4.4 メッセージの送信
C-cC-m (Header)4.10 メッセージの再送
C-cC-pC-a (Draft)4.11 PGP を利用する
C-cC-pC-e (Draft)4.11 PGP を利用する
C-cC-q (Addrbook)4.3 アドレス帳
C-cC-q (Addrbook)8. 一休み
C-cC-q (Draft)8. 一休み
C-cC-q (Header)8. 一休み
C-cC-q (Summary)8. 一休み
C-cC-r (Draft)4.11 PGP を利用する
C-cC-r (Summary)3.6 便利な機能
C-cC-s (Draft)4.11 PGP を利用する
C-cC-s (Summary)3.6 便利な機能
C-cC-t (Draft)4.5 シグニチャと引用
C-cC-v (Summary)3.3 PGP/MIME を表示する
C-cC-v (Summary)3.6 便利な機能
C-cC-y (Draft)4.5 シグニチャと引用
C-cC-y (Summary)9.2 Message mode
C-cC-z (Summary)3.6 便利な機能
C-cTAB (Draft)4.2 ヘッダの循環的な補完
C-cTAB (Draft)4.5 シグニチャと引用
C-cTAB (Summary)9.2 Message mode
C-f (Attach)4.6 マルチパートの作成
C-n (Attach)4.6 マルチパートの作成
C-n (Summary)3.1 読み方の基礎
C-p (Attach)4.6 マルチパートの作成
C-p (Summary)3.1 読み方の基礎
C-u, (Summary)3.2 MIME を表示する
C-u. (Summary)3.2 MIME を表示する
C-u. (Summary)3.9 規格違反のメッセージ
C-u/ (Summary)7. メッセージの選択
C-u/ (Summary)7.1 条件の入力方法
C-u: (Summary)3.2 MIME を表示する
C-u? (Summary)7. メッセージの選択
C-u? (Summary)7.1 条件の入力方法
C-ua (Summary)4.8 メッセージへの返答と宛先の決定
C-uA (Summary)4.8 メッセージへの返答と宛先の決定
C-uC-cC-a (Summary)4.3 アドレス帳
C-uC-cC-e (Summary)9.2 Message mode
C-uC-cC-f (Summary)3.3 PGP/MIME を表示する
C-uC-cC-l (Summary)3.9 規格違反のメッセージ
C-uM-o (Summary)6.9 自動で整理整頓
C-uM-x mew2. さぁ始めよう!
C-un (Summary)3.1 読み方の基礎
C-up (Summary)3.1 読み方の基礎
C-uSPC (Summary)3.1 読み方の基礎
C-utt (Summary)3.7 スレッド
C-uZ (Summary)3.6 便利な機能
C-x RET l4.7 文字コードの決定
C-xm2. さぁ始めよう!
C-xm4. メッセージを作成する

D
d (Attach)4.6 マルチパートの作成
D (Attach)4.6 マルチパートの作成
D (Summary)3.6 便利な機能
d (Summary)5.1 消去 `D'`X'
DEL (Summary)3.1 読み方の基礎

E
E (Attach)4.12 マークを使った PGP/MIME の作成
e (Attach)4.6 マルチパートの作成
E (Summary)3.5 送信、返答、転送

F
f (Attach)4.6 マルチパートの作成
F (Attach)4.6 マルチパートの作成
F (Summary)3.5 送信、返答、転送
f (Summary)3.5 送信、返答、転送
F (Summary)4. メッセージを作成する
f (Summary)4. メッセージを作成する
f (Summary)4.9 メッセージの転送
F (Summary)4.9 メッセージの転送

G
G (Attach)4.12 マークを使った PGP/MIME の作成
g (Summary)3.4 メッセージの取得とフォルダ移動

I
I (Attach)4.7 文字コードの決定
i (Attach)4.6 マルチパートの作成
i (Summary)3.4 メッセージの取得とフォルダ移動
i (Summary)4.4 メッセージの送信

J
j (Summary)3.1 読み方の基礎

M
m (Attach)4.6 マルチパートの作成
m* (Summary)5.6 マークの強さ
M-e (Summary)3.5 送信、返答、転送
M-l (Summary)3.6 便利な機能
M-n (Summary)7.1 条件の入力方法
M-o (Summary)6.9 自動で整理整頓
M-p (Summary)7.1 条件の入力方法
M-RET (Summary)3.1 読み方の基礎
M-TAB (Draft)4.3 アドレス帳
M-x (Summary)5.1 消去 `D'`X'
M-x mew2. さぁ始めよう!
M-x mew3. メッセージを表示する
M-x mew-send2. さぁ始めよう!
M-x mew-send4. メッセージを作成する
m@ (Summary)5.6 マークの強さ
md (Summary)5.6 マークの強さ
mo (Summary)5.6 マークの強さ
ms (Summary)5.6 マークの強さ
mt (Summary)3.7 スレッド

N
n (Summary)3.1 読み方の基礎

O
O (Summary)3.6 便利な機能
o (Summary)5.2 整頓 `o'

P
p (Attach)4.6 マルチパートの作成
P (Attach)4.6 マルチパートの作成
p (Attach)4.13 PGP の鍵の配布
p (Summary)3.1 読み方の基礎

Q
Q (Attach)4.12 マークを使った PGP/MIME の作成
q (Summary)8. 一休み
Q (Summary)8. 一休み

R
r (Summary)4.10 メッセージの再送
RET (Summary)3.1 読み方の基礎

S
S (Attach)4.12 マークを使った PGP/MIME の作成
s (Summary)3.4 メッセージの取得とフォルダ移動
S (Summary)3.8 メッセージのソート
SPC (Summary)3.1 読み方の基礎

T
T (Attach)4.6 マルチパートの作成
t* (Virtual)3.7 スレッド
t (Virtual)3.7 スレッド
TAB (Draft)4.1 ヘッダの補完
td (Virtual)3.7 スレッド
tM-d (Virtual)3.7 スレッド
tn (Virtual)3.7 スレッド
to (Virtual)3.7 スレッド
tp (Virtual)3.7 スレッド
tt (Summary)3.7 スレッド
tu (Virtual)3.7 スレッド

U
U (Attach)4.12 マークを使った PGP/MIME の作成
u (Summary)5.5 マークの消去
U (Summary)5.5 マークの消去

V
v (Summary)3.6 便利な機能

W
w (Summary)3.5 送信、返答、転送
W (Summary)3.5 送信、返答、転送
W (Summary)4.10 メッセージの再送
w (Summary)4. メッセージを作成する

X
x (Summary)5.1 消去 `D'`X'
x (Summary)5.5 マークの消去

Y
y (Attach)4.6 マルチパートの作成
y (Summary)3.6 便利な機能

Z
Z (Summary)3.6 便利な機能

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Table of Contents


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Short Table of Contents

1. はじめに読んでね
2. さぁ始めよう!
3. メッセージを表示する
4. メッセージを作成する
5. 愉快なマークたち
6. 楽々整理整頓
7. メッセージの選択
8. 一休み
9. カスタマイズ
10. メッセージの作法
11. 実装について
12. 入手方法とメーリングリスト
13. 著作権について
14. 変数索引
15. キー索引

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