モデムの設定
モデムの設定は、使用するプロトコルによって微妙に異なります。一般に、コー
ルインの際に用いられる通信プロトコルと、コールバックの際に用いられる通
信プロトコルが同じであるとは限りません。双方のプロトコルを自動認識でき
るように設定し、コールバックの際には自動着信するのが望ましい方法です
(ats0=1)。それができない場合には、コールイン後(あるいはコールバック中
にエスケープモードを利用し)、コールバックのプロトコルを認識するように
再設定することになります。通信プロトコルの設定はモデムの機種によって異
なりますので、後で具体例を示します。
端末エミュレータやPPPドライバの中には、コールイン後の回線の切断でプロ
グラムを終了してしまうものがあります。このような場合には、at&c0でキャ
リアの切断を無視するように設定すれば、終了を回避できます。
(アナログ回線のみ)
ホテルや構内回線を利用する場合には、ダイヤルトーンを独自に変更している
ものがあります。このような場合には、コールインの発信ダイヤルができませ
ん。atx3でダイヤルトーンを無視するように設定すれば、ダイヤルトーンを検
出できなくても発信できるようになります。
以下に、いくつかのモデムの設定例と、モデムに特異なコマンドを示します。
(自動着信:s0=1、キャリア無視:&c0は省略。at&fによる初期化後の設定です)
PHS PIAFS(+ V.42bis)
- NTT Personal Paldio DC-1P
in | back | 初期化コマンド |
PIAFS | PIAFS | at%c2 |
- Panasonic VC-172
in | back | 初期化コマンド |
PIAFS | PIAFS | at#m=0%c2x5\z1 |
V.110 | V.110 | at#m=1%c2x5\z1 |
V.110 | PPP | at#m=3%c2x5\z1 |
#m=0 | : | PIAFS |
#m=1 | : | V.110 |
#m=3 | : | PPP |
%c2 | : | V.42bis |
x5 | : | 全てのレザルトコードを表示 |
\z1 | : | 接続時に通信モードを表示 |
発信者番号通知 | : | @z2=1 |
通知しない | : | @z2=0 |
初期化コマンド
PIAFS | : | #m0 |
V.110 | : | #m1 |
PPP | : | #m3 |
ダイヤルコマンド
PIAFS | : | atdm |
V.110 | : | atdv |
PPP | : | atdw |
ISDN
- NTT-TE東京 MN128
- NTT-TE東京 MN128 PC2 (ISDNモード)
- Panasonic TO-TAC128
in | back | 初期化コマンド |
V.110 | V.110 | at&q0\q3$s8%b8 |
V.110 | PPP | at&q7\q3$s8%b12 |
V.110 | MP | at&q7\q3$s8%b12s172=1 |
V.110 | 無手順64k | at&q0\q3$s8%b12
(コールイン後 at&q3) |
V.110 | 無手順128k | at&q0\q3$s8%b14
(コールイン後 at&q3) |
&q0 | : | V.110 |
&q5 | : | PPP |
&q3 | : | 無手順 |
&q7 | : | V.110/PPP自動切替え |
\q3 | : | ハードウェアフロー制御 |
$s8 | : | 38.4Kbpsで発信 |
%b12 | : | 64Kbpsで着信 |
%b14 | : | 128Kbpsで着信 |
s172=1 | : | MPを許可 |
- NEC ATerm IT55
- NTT INSメイトV-3
in | back | 初期化コマンド |
V.110 | V.110 | atn8$n9=0 |
V.110 | PPP | atn8$n9=0 |
V.110 | MP | atn8$n9=0$n11=1 |
n8 | : | 回線速度38400bps |
$n9=0 | : | 無通信監視しない |
$n11=1 | : | MPを許可 |
TAの初期化 | : | z98 | (通常のモデムの&f) |
設定値の保存 | : | $s | (通常のモデムの&w) |
携帯電話
アナログモデム
- Panasonic TO-BXF336/TO-CAF336
- Panasonic TO-TO-707B/TO-704B/TO-703B
- I/Oデータ PCFM-336/PCML-336
in | back | 初期化コマンド |
自動設定(MNP4,5,V42bis) |
設定の必要なし |
自動設定(MNP4,5,10,V42bis) |
at-k1 |
- TDK DF2814
in | back | 初期化コマンド |
自動設定(MNP4,5,V42bis) |
at-k0 |
自動設定(MNP4,5,10,V42bis) |
設定の必要なし |
- TDK DFL3410
- NTT-TE東京 MN128 PC2 (モデムモード)
in | back | 初期化コマンド |
自動設定(MNP4,5,V42bis) |
設定の必要なし |
(以下、アナログ回線用モデムに共通)
- ダイヤルトーン/busyトーンの検出
(MN128 PC2: 初期値x3, 他のモデムはx4)
ダイヤルトーン/busyトーンを検出 | : | x4 |
busyトーンのみ検出 | : | x3 |
ダイヤルトーン/busyトーンを検出しない
| : | x1 |
- パルスダイヤルの速度
(MN128 PC2/DF2814/DFL3410/PCFM-336/PCML-336: 初期値 10pps)
パルスダイヤル 10ppsへ | : | &p0 |
パルスダイヤル 20ppsへ | : | &p3 |
- 応答コードの表示形式
応答コードを数字で表示 | : | v0 |
応答コードを文字で表示 | : | v1 |
![[Techiehills]](/Icons/techiehills.gif)
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