インストールの下準備

FreeBSD のインストール方法はさまざまあります. それぞれの インストール方法に対して, どのような下準備が必要かをこれから説明します.

CD-ROM からインストールする前に

あなたの CD-ROM ドライブがサポートされていないタイプの場合は, ハードディスクの MS-DOS パーティションからインストールする前に に飛んでください. Walnut Creek の FreeBSD CD-ROM からインストールする場合は, 大した下準備 をしないでもうまくインストールできることでしょう (その他の CD-ROM でもうまくいくでしょうが, その CD-ROM がどうやって作られているか, 私たち はわかりませんので確実なことは言えません). Walnut Creek の CD-ROM に収録されている, install.bat で直接 FreeBSD を立ち上げることもできますし, makeflp.bat でブートフロッピーディスクを つくることもできます.

Note: もし FreeBSD 2.1-RELEASE を使っていて IDE CD-ROM ドライブを持っている場合, install.bat のかわりに inst_ide.bat もしくは atapiflp.bat を使ってください. ]

DOS から最も楽なインタフェースを使いたい場合は view と打ち込みます. そうすると DOS でのメニューが立ち上がって, 可能なオプション すべてを選択できます.

あなたが UNIX マシンでブートフロッピーディスクを作成している場合は, FreeBSD のインストール を参考にしてください.

DOS から, もしくはフロッピーディスクから起動をおこなうと, メニュー ``Media'' から, インストールメディアとして CDROM を 選択することで, 配布ファイルをロードすることができるようになります. 他の種類のインストールメディアは不要なはずです.

CD-ROM を取り出す前には umount /cdrom と打ち込まなくてはならない ことを覚えておいてください. 単純にドライブから取り出さないように!

Note: インストールに入る前に, CD-ROM をドライブに入れておいて, インストールフロッピーディスクが立ち上がる ときに CD-ROM を見つけられるようにしておくようにしましょう. CD-ROM を デフォルトでシステムにつけ加えたい場合も CD-ROM を入れておきます (インストールメディアとして実際に CDROM を選択しない場合も同様).

おわりに, あなたのマシンの CD-ROM を直接使って, FTP 経由で別のマシンに FreeBSD をインストールさせたいとします. やり方は簡単です. あなたのマシンのインストールが終了した後に, vipw コマンドを使って, passwd ファイルに以下の行を追加します.

ftp:*:99:99::0:0:FTP:/cdrom:/nonexistent

こうするとあなたのマシンにネットワーク接続できる人 (そして, login 許可を持っている人) は, メディアタイプとして FTP を選択できるように なります. 具体的には, FTP サイトの選択メニューから ``Other'' を選択して, ftp://あなたのマシンのアドレス を入力します.

フロッピーディスクからのインストールの前に

あなたがフロッピーディスクからのインストールをしなくては ならない場合, その理由はハードウェアがサポートされてなかったためか, 単にいばらの道を通ることを楽しんでいるからでしょうが, インストール用の フロッピーディスクを用意する必要があります.

最低でも bin (基本配布ファイル) ディレクトリ内のすべてのファイル を入れられるだけの 1.44 メガバイトか 1.2 メガバイトのフロッピーディスク が必要です. これらのフロッピーディスクを DOS で作成している場合は, フロッピーディスクは「MS-DOS の FORMAT コマンドでフォーマット」 されなくてはなりません. Windows をお使いの場合は, Windowsの ファイルマネージャの初期化コマンドを使用してください.

工場での初期化済みディスクを「信用しないでください」. 念のためにあなた 自身でフォーマットし直してください. ユーザからのトラブル報告の多くは ちゃんと初期化されていないディスクを 使用していたことが原因となっています. 私が特にフォーマットし直してくださいと述べているのも, この理由からです.

他の FreeBSD マシンでフロッピーディスクを作成している場合, フォーマットすることは悪いことではありません. いちいち DOS ファイルシステムのフロッピーディスクを作成する必要は ありませんので, disklabel コマンドと newfs コマンドを使って, 次のような手順で (3.5 インチ 1.44 メガバイトディスク用の) UFS ファイルシステムを 作成することもできます.

# fdformat -f 1440 fd0.1440
# disklabel -w -r fd0.1440 floppy3
# newfs -t 2 -u 18 -l 1 -i 65536 /dev/rfd0
      

Note: 5.25 インチの 1.2 メガバイトディスクの場合は "fd0.1200" と "floppy5" にしてください

これで他のファイルシステムと同様に mount して書き込むことができます.

フォーマットされたフロッピーディスクを用意したら, それらにファイル をコピーしなくてはなりません. 配布ファイルはいくつかのかたまり にわかれていて, これらのかたまり五つで一般的な 1.44 メガバイトの フロッピーディスクに収まるようになっています. フロッピーディスクに 入るだけファイルを入れていって, 配布ファイルをすべてコピーしてください. それぞれの配布ファイルはサブディレクトリに コピーする必要があります. 例えば, a:\bin\bin.aaとか, a:\bin\bin.abといった感じです.

インストールメディアの選択場面になったら, ``Floppy'' を選択して, 残りの指定をやってください.

ハードディスクの MS-DOS パーティションからインストールする前に

ハードディスクの MS-DOS パーティションからインストールするときは, まずファイルを C:\FREEBSD にコピーします. CD-ROM にあるディレクトリ構造を反映してコピーしなくてはなりません. DOS の xcopy コマンドの使用をおすすめします.

例えば, FreeBSD の最低限のインストールをするには, このような手順で コピーします.

C:\> MD C:\FREEBSD
C> XCOPY /S E:\BIN C:\FREEBSD\BIN\
C> XCOPY /S E:\MANPAGES C:\FREEBSD\MANPAGES\

ここで, C: ドライブには十分なディスクスペースが残っており, CD-ROM は E: ドライブに接続されているものとします.

MS-DOS からたくさんの 配布ファイル (DISTS) をインストールしたい (そしてディスクの余裕がある) 場合は, それぞれ C:\FREEBSD ディレクトリにコピーします --- BIN 配布ファイルは, 最低限必要なものです.

QIC/SCSI テープからのインストールの前に

テープからのインストールは, おそらく FTP を利用したオンライン インストールか, CD-ROM を利用したインストールができない場合の, もっとも簡単な方法でしょう. インストールプログラムは, 以下のような コマンドを使用して, 単純に配布ファイルがテープ上に tar されていることを 期待しています.

# cd /freebsd/distdir
# tar cvf /dev/rwt0 (または /dev/rst0) dist1 .. dist2

インストールに入る前に, テンポラリ (一時使用) ディレクトリに 十分なディスクスペースを確保して, 作成したテープのすべての ファイルを格納できることを確認してください (テンポラリディレクトリは 自分で選ぶことができます). テープの特性上, ランダムにアクセスするこ とができませんので, 一時的に極めて大量の容量を必要とします. テープに準備しただけの量のディスクスペースを 一時的に使用することに 留意してください.

Note: インストールに入るときは, ブートフロッピーディスク から立ち上げる にテープをドライブに入れておかなくてはなりません. さもないとインストール時のデバイス検出のときにテープを 見つけられません.

ネットワーク経由のインストールの前に

三つの物理的な接続形態で, ネットワーク経由のインストールを おこなうことができます.

シリアルポート

SLIP もしくは PPP 方式.

パラレルポート

PLIP (laplink ケーブル使用)

イーサネット

標準的なイーサネットコントローラ (いくつかの PCMCIA カードにも対応)

SLIP のサポートはまだまだ原始的とも呼べる方法なので, ラップトップと 他のコンピュータをシリアルケーブルで接続するといった具合いに, 直接接続してなくてはいけません. SLIP インストールは, ダイヤル機能を 持っていませんので, インストールするためには直接接続しなくてはなりません. PPP インストールではダイヤルアップ接続が可能ですので, できれば PPP 接続の 方を選択しましょう.

もしもあなたがモデムを使用しているなら, あなたに残された選択肢は ほぼ間違いなく PPP インストールでしょう. インストール時に必要になりますので, サービスプロバイダ (ISP) に関する情報を用意しておきましょう. PPP ダイヤルの際は, とてもシンプルな端末エミュレーターで作業する ことになりますので, お手持ちのモデムで ISP にダイヤルするため の``ATコマンド''の使い方を知っておく必要があります. もし PAP や CHAP を用いるなら, termを入力する前にset authnameset authkey といったコマンドを入力する必要があるでしょう. これ以上の情報については, handbookFAQ のユーザー PPP エントリーを参照して下さい. 問題が起きた場合には, set log local ... コマンドを用いてログを画面に吐くこともできます.

FreeBSD (2.0R 以降) の動いている別のマシンと直接接続が可能でしたら, ``laplink'' パラレルポートケーブルで接続することを考えてみましょう. パラレルポート経由のデータ転送スピードは, シリアルラインでの 一般的なスピード (最高 50kbit/sec) よりもずっと高速ですので, 高速にインストールすることができます.

最後になりますが, ネットワークインストールのうちでもっとも高速なものとしては イーサネットアダプタを使用するのがあげられます. FreeBSD ではきわめて多くの PC イーサネットカードをサポートしています. サポートされている カードの表 (と, 必要な設定) は, サポートされている設定一覧 に書いてあります. サポートされている PCMCIA カードを使っている場合には, ラップトップの電源を 入れる「前」に差し込んでおくことにも注意してください. 残念ながら今の FreeBSD は, インストール時の活線挿抜には対応していません.

ネットワークでの IP アドレス, あなたのアドレスクラスに対応した ネットマスク, マシン名を知っておくことも必要です. ネットワーク管理者の方に たずねればどんな値を使ったらよいかを教えてくれるでしょう. もしも他のホストを IP アドレスではなくて名前で引きたい場合, ネームサーバとゲートウェイ のアドレスも知らなくてはなりません (PPP をご使用の場合は, プロバイダの IP アドレスになります). これらのうちのすべて, またはいくつかを 知らない場合は, イーサネット経由でのインストールを始める前に「まず」 ネットワーク管理者に相談してください.

何らかのネットワーク接続ができたら, 続けてインストールを NFS か FTP 経由でおこないます.

NFS インストールのための下準備

NFS インストールはまったく単純明解です. FreeBSD の配布ファイルを サーバの好きな場所にコピーしておいて, メディア選択で NFS を選択します.

もしサーバが ``privileged (特権) ポート'' へのアクセスのみをサポート している場合, (Sun ワークステーションの標準ではこうなっています) インストールを進める前に Options メニューを選択して, ``privileged port'' オプションを選択してください.

イーサネットカードの性能が悪くて, 転送速度が遅くて困っている場合も, 適当な Options を選択するとよいでしょう.

NFS 経由でインストールするためには, サブディレクトリも 含めたマウントにサーバが対応している必要があります. 例えば, FreeBSD 3.1 の配布ファイルが ziggy:/usr/archive/stuff/FreeBSD にあるとすると, マシン ziggy では /usr/usr/archive/stuff だけではなく, /usr/archive/stuff/FreeBSD の直接マウントが可能に なっていなければなりません.

FreeBSD の /etc/exports ファイルでは, このことは -alldirs オプションによって制御されています. 他の NFS サーバの場合だとまた話が違ってくるかもしれません. もしもサーバから Permission Denied というメッセージが 返ってくるようでしたら, サブディレクトリマウントをちゃんと 有効にできていないことが考えられます.

FTP インストールのための下準備

FTP 経由のインストールは, FreeBSD 3.1 の最新バージョンを ミラーしているどのサイトからでも可能です. 世界中の妥当な FTP サイトの 選択肢をメニューに並べておきました.

このメニューに出ていない他の FTP サイトからインストール する場合や, ネームサーバの設定に問題が生じた場合は, メニューでサイト ``Other'' を選ぶところで, お好みの URL でサイトを指定することができます. URL として直接 IP アドレスで指定してもよく, 直接指定した場合はネームサーバ がなくても FTP インストールが可能になります. 例えば,

ftp://165.113.121.81/pub/FreeBSD/3.1-RELEASE
のような感じですね.

FTP 経由のインストールモードとして, このようなものが 使用可能です:

FTP Active

すべての FTP 転送の際に ``Active'' モードを使用します. ファイアウォール内部のマシンではうまく動きませんが, passive モードをサポートしていない古い FTP サーバでも 動作します. passive モードでの FTP 転送 (こちらが デフォルトです) が失敗した場合は, active を使ってください.

FTP Passive

すべての FTP 転送の際に ``Passive'' モードを使用します. このモードを使用することで, ランダムポートアクセスインを 許さないファイアウォールを 越えることができるようになります.

Note: Active, passive モードは ``proxy'' 接続と同じではありません! proxy FTP サーバは FTP 要求 を受け付け実際の FTP サーバへ転送します.

通常 proxy FTP サーバ に対しては, ユーザ名の一部として @ 記号に続いて実際に接続したいサーバの名称を与える必要が あります. そうすると proxy サーバは本当のサーバの「ふり」 をするようになります. 例えば: ftp.freebsd.org から ポート番号 1234 で要求を待つ proxy FTP サーバ foo.bar.com を使って インストールしたいとします.

この場合では, 「オプション」メニューで FTP username を ftp@ftp.freebsd.org, パスワードとして自分の電子メールアドレス を指定します. インストールメディアとして FTP (または proxy サーバがサポートしていれば passive FTP), URL を以下のようにします: ftp://foo.bar.com:1234/pub/FreeBSD

ftp.freebsd.org/pub/FreeBSD に対する FTP 要求については foo.bar.com が代理で処理をおこなうことになり, むこう のマシンからインストールすることができます (インストール時 の要求により ftp.freebsd.org からファイルをもってきます).